米ディズニー、主力部門に懸念 「スター・ウォーズ」も伸び悩みか 【米決算プレビュー】

米ウォルト・ディズニーが米東部時間6日午後4時半(日本時間7日午前6時半)、2017年10~12月期の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、2月1日時点の市場の予想1株利益(EPS)は、特殊項目を除いたベースで前年同期比4.5%増の1.62ドルにとどまる。テコ入れ中の有料テレビ事業を含む主力部門が足を引っ張るほか、期待が高かった「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の興行収入も市場予想を下回っているようだ。

【ウォルト・ディズニーの株価とEPS予想値の推移】

ディズニーインパクト

(注)QUICK FactSet Workstationより作成。グレーの折れ線は株価、水色の棒グラフはEPS予想の最高値、青色は最安値、緑色と赤色の●はEPS実績値をそれぞれ示す

市場の予想値

      17年10~12月期
・売上高  154億9400万ドル(4.8%増)
・EPS  1.62ドル(4.5%増、Non-GAAP)
      1.63ドル(4.4%増、GAAP)
※2月1日時点、27社の予想()内は前年同期比

主力部門の不振に加え、「最後のジェダイ」が中国で伸び悩む

10~12月期はテーマパークを運営するパーク&リゾート部門がけん引し、増収増益を見込む。ただ、有料テレビ事業を含む主力のメディアネットワーク部門の営業利益が前年同期比16.4%減の11億ドルと足を引っ張るもよう。ネット配信の分野でネットフリックスなどの競合に出遅れているほか、広告収入が低調だったようだ。昨年末に公開された人気映画シリーズ「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」も市場予想に対して伸び悩んでいるもよう。

ゴールドマン・サックスは1月10日付のレポートで「1月初旬に公開した中国の興行収入が予想を下振れしており、前作の「フォースの覚醒」に対して47%減だった」と指摘。2018年1~3月期への影響が懸念される。

【部門別の営業利益】
メディアネットワーク                  11億3800万ドル     (16.4%減)
パーク&リゾート                  12億4300万ドル    (11.9%増)
スタジオエンターテイメント                 9億2000万ドル        (9.2%増)
コンシューマプロダクツ&インタラクティブメディア   6億4400万ドル (0.3%増)
(注)2月1日時点、27社の予想()内は前年同期比

米21世紀フォックスのコンテンツ事業買収の効果は

ウォルト・ディズニーは17年12月14日、米21世紀フォックスの映画やテレビなどコンテンツ事業の大半を買収すると発表した。買収額は524億ドルで負債含むと661億ドル程度だ。これに伴い、ディズニーは有料放送番組「FX」や「ナショナルジオグラフィック」、英国とインドの放送網を獲得するほか、動画配信「Hulu」の経営権も握る。

事業拡大により動画配信で先行するネットフリックスやアマゾン・ドット・コムに攻勢をかける。ディズニーのロバート・アイガー最高経営責任者(CEO)は同日の電話会見で「消費者の多様なニーズに対応したもの」とコメント。ディズニーは買収により20億ドル程度のコスト削減効果が得られるとしているが、ウェルズ・ファーゴ証券は15億ドル程度にとどまるとみている。

ディズニーは株式交換方式によりフォックス株1株につきディズニー株0.2745株を割り当て、今後1~1年半程度で買収を完了させる方針。フォックスを率いるメディア王のルパート・マードック氏はディズニーの大株主に浮上するもよう。

買収の発表を機に株価は111ドル台を回復

主力事業の低迷を嫌気してディズニーの株価は節目の100ドルを割り込む局面もあったが、21世紀フォックスの買収発表直後には111ドル台を回復した。ただ、ダウ工業株30種平均をアンダーパフォームしており、買収にともなう効果や主力事業の建て直しについて市場は見極めたいようだ。米通信大手AT&Tによる米メディア大手タイム・ワーナーの買収について米司法省が待ったをかけていることから、買収がスムーズに進まないことへの警戒感もあるかもしれない。

2018年に施行された米税制改革について、ゴールドマン・サックスはレポートで「広告収入や(映画製作を手掛ける)スタジオ部門などの低迷を減税効果で相殺し、18~20年のEPSは平均で11%増加する」と予想している。

【ディズニーの株価とダウ平均の過去1年間の推移】

(注)データは2月5日時点

(QUICK エクイティコメント)

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