アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(1月末時点)は金融を含む全産業ベースでプラス27と、前月と変わりませんでした。銀行が改善しましたが、電機や輸送用機器が悪化。鉄鋼や小売は弱気に傾きました。
※QUICKコンセンサスDIとは・・・アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。
製造業は1ポイント低下のプラス34
製造業DIは前月比1ポイント低下のプラス34でした。業種別では非鉄金属や機械の強気見通しが増え、食料品も改善した一方、鉄鋼が大幅に悪化し、マイナス圏に転落しました。
非製造業DIは前月と変わらずのプラス18でした。情報・通信や不動産などの業種が改善しましたが、小売はマイナス圏に転落しました。
DIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は算出対象の16業種のうち、12業種。マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)は3業種、変わらずは1業種でした。
北陸電力(9505)が上方修正率トップ
個別銘柄を対象に3カ月前の予想純利益と比較して上方修正率、下方修正率がそれぞれ大きな銘柄をピックアップしたところ、最も上方修正率が大きかった銘柄は、北陸電力(9505)でした。
北陸電力は、事務所や工場などの法人、オール電化住宅を利用する一般家庭を対象に2018年4月から順次、電力料金を値上げすると発表。値上げで年間200億円程度の経常損益の改善が見込まれています。
半面、最も下方修正率が大きかったのは前月に引き続き、サイバーダイン(7779)でした。ただ、同社については1月9日に、体を動かしたり話したりすることが困難な患者らの意思伝達を支援する小型装置「Cyin(サイン)」を今春から国内で発売すると発表するなど、業績改善につながりそうな材料も出ています。