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米税制改革で「小幅円安」70% 黒田総裁続投78% QUICK月次調査<外為>

記事公開日 2017/12/18 12:40 最終更新日 2017/12/18 12:40 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<外為> ECB FRB 日銀 QUICK月次調査

今年も残すところ2週間。外国為替市場の担当者に聞いた「2017年の3大ニュース」は、1位が「北朝鮮リスク(ミサイル発射・緊迫化など)」、2位は「日経平均高値更新」、3位は「ビットコイン急騰」となりました。来年はどんな年になるでしょうか。12月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年に向けての外国為替市場の注目材料や日銀総裁人事などについて、外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は12月11~14日、回答者数は72人です。

※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。

米税制改革に独政権協議…為替への影響は?

米与党・共和党は15日に税制改革の最終法案を公表しました。懸案だった連邦法人税率は現行の35%から2018年に21%に下げることで決着し、週内にも両院で可決・成立する見通しとなっています。トランプ米大統領はかねてクリスマス前の成立を目指す意向を示し、法人減税は2018年を予定していました。改革案が成立した場合、円相場はどのようなトレンドになるかと聞いたところ、最も多かったのは「小幅に円安が進行する」で7割を占め、次いで「ほとんど反応しない」が19%でした。円高の予想は「小幅に円高が進行する」(7%)と「大幅に円高が進行する」(1%)を足しても1割に満たない結果となりました。

米税制改革後の為替

一方、ドイツでは13日、メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第2党のドイツ社会民主党(SPD)の政権協議が始まりました。大連立で一致できるかが焦点ですが、政策の溝が深いため長期化も想定されており、交渉が決裂すれば再選挙突入のリスクもあります。交渉の行方について聞いたところ、最も多かったのはメルケル首相が目指す「大連立政権の樹立」で6割近くを占め、次いでシュルツSPD党首が選択肢のひとつとしている「閣外協力」で33%となりました。

独政権協議の行方

また、2018年に向けて外国為替市場の材料として最も注目しているものは何ですかと聞いたところ、パウエル新体制となる「米連邦準備理事会(FRB)の金融政策」を半数が挙げました。次いで「米国の経済・通商政策」が16%、「ECBの金融政策」は12%、「日銀の金融政策」は10%でした。

2018年の為替材料

市場関係者からは「来年以降の米利上げペースを模索するなか、2018年に投票権を持つ米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの発言が注目を集めよう」「FRB副議長などのポストはまだ空席のため、候補者の政策スタンスを巡る思惑で、短期的に相場が反応することも十分考えられる」といった指摘が聞かれました。

さらに「米国第一を標榜するトランプ政権は、対米貿易黒字国である日本の通貨がさらに減価することに難色を示し、口先介入を始める可能性がある」「欧州の景気の強さが一段と目立ち、ECBの量的緩和政策の終了と年末までに利上げ開始との思惑が高まると、ユーロ独歩高となる可能性がある」「トランプ・北朝鮮問題は2017年通年に渡り市場に影響を与えた要因であり、来年も引きずる」などの声もあがりました。

日銀の長期金利目標、来年変更の可能性は?

2018年4月の黒田東彦総裁の任期満了後、日銀執行部の新体制はどうなると予想しますか、と聞いたところ、総裁の後任は「黒田東彦・日銀総裁」の再任予想が78%で12月の債券調査と同じく圧倒的です。

日銀執行部の新体制(総裁)

副総裁も債券調査と同様に「雨宮正佳・日銀理事」が最多で66%、「中曽宏・日銀副総裁」は35%でした。次いで「伊藤隆敏・コロンビア大学教授」が25%、「本田悦朗・駐スイス大使」が21%となりました。

日銀執行部の新体制(副総裁)

日銀は、2016年9月に長期金利をゼロ%程度に誘導する「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」導入を決めましたが、物価上昇率目標の2%にはいまだ距離があります。では2018年末までに長期金利ターゲットを変更すると思いますかと聞いたところ、最も多かったのは「変更しない」で43%、次いで「明示せずに上昇を容認する」が35%でした。

日銀の長期金利目標

12月の債券調査に比べても「変更しない」との予想が多い一方で「引き上げる」は減り、日銀が物価上昇目標に向けて粘り強い姿勢を続けるだろうとの見方が増えているようです。

市場関係者からは「基本的には、誰が総裁となっても基本的な政策の枠組みは変わらない」という見方が大勢ながら、株高や国内景気回復等を背景に、今後は日銀内で出口戦略への議論が強まるのではとの意見もあります。「日本とそれ以外の先進国とで金融政策の方向性が異なってきたが、それが世界経済や国際資金フローにどのような影響を及ぼすか注目したい」といった声も聞かれました。

12月末は1ドル=113円37銭 予想は円高方向にシフト

毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは12月末の平均値で1ドル=113円37銭と、11月調査(114円01銭)から円高へシフトしました。3カ月後の2018年2月末には113円65銭、6カ月後の5月末には114円00銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の変動要因は、円・ドル・ユーロすべて「金利/金融政策」で5割を超えています。

ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が78%から75%に低下した一方で、「オーバーウエート」が22%から25%に上昇しました。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=111円46銭と現在の水準(112円76銭~113円46銭)より円高に予想し、また対ユーロでは1ユーロ=124円70銭と現在の水準(133円15銭~133円65銭)より大幅に円高に予想しているため、為替差益が生じる可能性がありそうです。

※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。


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