第2回QUICKが選ぶ「中長期投資にふさわしい投信」 ~運用成績を定量評価~

QUICK資産運用研究所は、中長期の資産形成を目指す個人投資家が投資信託を選ぶ際の参考になるように、2018年に活躍した投信の中から「中長期投資にふさわしい投信」5本を選定した。第1回は18年3月に発表しており、今年から年初に選定結果を公表する。

■リスク階級ごとに5本を選定

運用方針、投資対象、コスト、運用体制……。数ある投信の中から、個人が自分に合った商品を見定めるのは簡単ではない。「中長期投資にふさわしい投信」では、過去の運用成績に的を絞って分析し、恣意性を排除した。具体的には、運用でとったリスクに見合うリターンを上げたかどうかを測る指標「シャープレシオ」を用いて、個々の投信を評価した。

個人が中長期の投資を続けていくうえでは、自分がどの程度のリスク(リスク許容度)をとれるかを想定した投信選びが重要になる。そのため、リスクを示す指標「QUICKファンドリスク(QFR)」の5つの階級ごとに1本ずつ、計5本を選んだ。

結果はリスク階級の小さい順に「明治安田日本債券ファンド(愛称:ホワイトウィング)」(12312001)、「J-REITオープン(年4回決算型)」(01313052)、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Aコース(為替ヘッジあり)」(39311065)、「SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(愛称:jnext)」(89311052)、「マネックス・日本成長株ファンド(愛称:ザ・ファンド@マネックス)」(47311007)の5本(図A)。

5本ともアクティブ(積極)運用型で、主な投資対象はリスク階級別に1が国内債券、2が国内REIT(不動産投信)、3は米国株式、4と5が国内株式だった。

■QUICKファンドスコアでも高評価

「明治安田日本債券ファンド」の18年のリターン(分配金再投資ベース)は、約1%の小幅なプラス。過去5年間では緩やかな値動きが続いている(図B)。 「J-REITオープン(年4回決算型)」は11.26%上昇。国内REIT市場平均の「東証REIT指数(配当込み」(11.11%)をわずかながら上回り健闘した。

18年は日本株式市場を代表する「TOPIX(東証株価指数)配当込み」が約16%下げるなど、世界的に株式相場が低迷した。リスク階級が3以上で選定したファンドはどれも年間のリターンがマイナスだったが、それぞれのリスク階級の中では高い評価を収めた。

「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Aコース(為替ヘッジあり)」は、成長性が高いと判断される米国株式へ投資すると同時に、為替ヘッジでドル円相場の変動リスクを回避するのが特徴だ。「SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト」と「マネックス・日本成長株ファンド」は、どちらも主に中小型の国内成長株に投資する。

選定した5本は、QUICKが毎月算出している「QUICKファンドスコア」でもおおむね高評価を得ている。QUICKファンドスコアは長期投資にふさわしいかどうかの視点で、リスクやリターンといった運用成績に加え、下値抵抗力、運用コスト、分配金健全度の5項目で投信を多角的に分析評価し、最も低い「1」から最高の「10」まで10段階にランク付けしている。5本中4本の最高スコア(18年末時点)が9または10だった。「明治安田日本債券ファンド」は、同じリスク階級のファンドの中で比べた下値抵抗力や分配金健全度の項目で相対評価点が低く、スコアは4にとどまった。

【選定対象・方法】

1.対象は国内公募の追加型株式投資信託で、決算回数が年6回以上のものを除く。2018年末時点で(1)運用実績が6年以上(2)償還予定日までの期間が1年以上(3)残高が10億円以上――の条件を満たす。原則としてETF(上場投資信託)、確定拠出年金(DC)専用、販売停止中、販売停止予定、限定追加型、マネープール相当、ブルベア型、ラップ口座専用、ミリオン型、一般財形型は除外した。

2.リスク階級は価格変動リスク(過去の価格変動の度合い)をTOPIX(東証株価指数)との相対評価で表した「QUICKファンドリスク(QFR)」を用いる。QFRはリスクが最も小さい「1」から最大の「5*」まで6段階を付与しているが、ブルベア型などが含まれる「5*」は除外した。

3.18年1月から12月までの1年間の各月末時点における5期間(5年間、3年間、1年間、6カ月間、3カ月間)の運用実績データ(シャープレシオ)を使った定量評価。過去12カ月間における上記5期間のシャープレシオ(年率換算)の平均値を合計し、この合計値が最大となる投信をリスク階級別(1~5)に1本ずつ選定。

(QUICK資産運用研究所 中田裕子)

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