投信ブロガーが選んだ10大ニュースは? 金融庁が年内最後の「つみップ」

金融庁が21日夜に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)は、クリスマスと3連休の前にもかかわらず、約50人の個人投資家が集まった。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に開いている個人との意見交換会で、今回が今年最後の開催。参加者は識者や著名投信ブロガーの話に熱心に耳を傾け、日頃から抱いている疑問や悩みをぶつけた。

■「コツコツ投資」継続は力なり

最初の講義では、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が「下がっても儲かる!?つみたて投資の摩訶不思議」と題して、積み立て投資の効用を説いた。毎月1万円ずつ10年間にわたって投資(投資元本120万円)した場合について、4つの価格(投資信託の基準価額)変動パターンを例をあげ、開始から10年後に価格が下がっていても利益を得られることがある理由を示した。

積み立て投資は継続的に一定額を購入するため、価格下落局面では平均購入単価が下がり、購入口数が増える。カン氏は「量(購入口数)×現在の価格」がものをいうのがコツコツ投資の特徴と強調した。

■投信ブロガーが気になる10大ニュース

続いて、金融庁サイトで「教えて虫とり先生」の連載が始まった投信ブロガーの虫とり小僧さんが、自身が選んだ10大ニュース(順不同)について、ユーモアを交えながら語った。10番目に少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が見送られたことを取り上げ、金融庁職員に改めて要望を訴えた。

【2018年投信ブロガー的気になる10大ニュース】
1.つみたてNISA始まる
2.個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)100万人
3.仮想通貨暴落
4.米リーマン・ショック10周年
5.カードで投信、ポイント還元
6.キャッシュレス化進む
7.教えて虫とり先生連載
8.投信の隠れコストに注目
9.投信販売会社共通KPI(成果指標)設定
10.NISA恒久化ならず

■下げ相場に関する質問なし

質疑応答では、経済評論家の山崎元氏、投信ブロガーの吊られた男さん、NightWalkerさんらが加わり、一つ一つ丁寧に答えた。この日は東京株式市場で日経平均株価が2万円割れ寸前まで下げる場面があるなど足元で世界的に株価が下落基調を強めているが、相場に関する質問が出なかったのは、つみたてNISAのイベントならではを映した。

【参加者からの主な質問】
・コツコツ投資のリターンを上げる効果には開始月も関係しているのではないか
・投資していた投信が繰り上げ償還された場合はどう対処したらいいのか
・どういうタイミングで換金するのがいいか
・お勧めの資産配分比率があったら教えてほしい
・つみたてNISAの年非課税枠が12(カ月)で割り切れない額(40万円)に決まったのはなぜか
・ジュニアNISAの非課税期間(5年)が延長となる可能性はあるのか
・隠れコストはインデックス投信の運用成績にどう影響するのか

■「来年からつみたてNISAを始める」の声

懇親会には初心者も積極的に参加した。「一般NISAとつみたてNISAの違いを知りたくて参加。質疑内容はレベルが高かった」(40代女性会社員)、「今回は2回目の参加。来年からつみたてNISAを始めるつもり」(30代女性会社員)との声が聞かれた。

一方、50代後半のベテラン投資家で福岡から参加した男性自営業者は「初参加してみて、金融庁の本気度が分かった。女性参加者の『何かを吸収しよう、すぐに行動しよう』という意識の高さにも驚いた。東京との情報格差は大きな課題で、地方でも『つみップ』が浸透する工夫が必要だ」と指摘していた。

■投信ブロガー「PV公開が待ち遠しい」

個人投資家として参加していた投信ブロガーに感想を聞いた。

毛流麦花(モールバッカ)さん「金融庁から紹介のあった『つみたてNISAプロモーションビデオ(PV)』の公開が待ち遠しい。現役女子高生が出演することで、若者の間で投資文化が芽生えていくきっかけになるのを期待したい」

安房さん「金融庁の中島淳一・総括審議官からの冒頭説明にあったように税制改正で、海外赴任者の取り扱いといった個人投資家の直面する課題が『つみたてNISAフェスティバル』での要望をきっかけに解決に至ったのは興味深い」

もことんさん「いつもと違う趣向で、参加リピーターの自分にも十分楽しめた」

やすぎさん「質疑応答では思い切って質問したが、丁寧な回答は大いに参考になった」

■共通KPIが裏付けるコツコツ投資の効用

つみたてNISAの開設口座数は9月末時点の90万口座近くに達し、制度開始1年で100万口座の大台超えが確実視されている。買い付け額は累計で約576億円に過ぎないが、「続ける」のが特徴のコツコツ投資は解約されにくい傾向があるため、じわじわと積み上がっていく公算が大きい。

投信の販売会社による顧客本位の業務運営を客観評価する共通の成果指標(共通KPI)を見ると、長期・積み立てを推奨している独立系運用会社(投信の直接販売会社)の顧客で含み益の比率が高かった。コツコツ投資の効用が裏付けられた形とあって、つみたてNISAの存在感が投信市場で増しそうだ。

金融庁「つみップ」サイトはこちら

(QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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