丸井流の投信販売「小売り感覚&お客さま目線で安心を」 tsumiki証券の仲木COO

小売りを手掛ける丸井グループ(8252)が設立した積み立て投資専門の「tsumiki証券」が31日、サービスを開始した。グループのクレジットカード「エポスカード」で投資信託を買えるのが最大の特徴。カード払いで投信を購入できるのは日本初のスキームだ。取り扱う商品は投信4本だけで、投資方法は積み立てのみ。シンプルさを極めた投資初心者向けの新たな資産形成ビジネスが口火を切る。

ターゲットは20~30歳代の若い世代だ。エポスカードの会員は660万人にのぼり、そのうち半数以上を若年層が占める。顧客は月3000円から積み立てることができ、買い物などで使ったカードの利用代金と一緒に銀行口座から毎月引き落とされる仕組みだ。積み立て額の上限は月5万円。年間の積み立て額や積み立て期間に応じたエポスポイントももらえる。

4本に絞り込んだファンドはすべて、つみたてNISA(少額投資非課税制度)の対象になっている投信。手数料の安さや運用実績など金融庁が定めた厳しい要件をクリアし、長期の資産形成に適していると認められたファンドだ。運用会社が顧客とどう向き合っているかなどに着目し、「顔の見える運用」をしているファンドを厳選した。つみたてNISAの非課税枠(年40万円)を超える積み立ては特定口座での取引となる。

口座開設や月々の積み立て額の変更などはネットで手続きできるが、マルイの店頭でも口座申込みのサポートやお金に関する相談ができる窓口を設置する。当初は1店舗から始め、徐々に増やしていく方針だ。

今後は投資初心者向けのセミナーを随時開催する予定。マルイの店舗内スペースを利用して、20人程度のアットホームな雰囲気のセミナーにする。10月にはエポスカード会員を招いて200人規模のイベントも開催する予定だ。来春をメドにエポスポイントで投資を疑似体験できるサービスも始める。

tsumiki証券のロゴマーク

社名のロゴマークは、末尾の「i」に2つの点をつけた。これは「お客さまとtsumiki証券」という意味が込められている。顧客とともに「しあわせ」をつくることを目指すグループの共創理念を表した。

富裕層や高齢者に偏っているとされる日本の資産運用サービスに、異業種から参入したtsumiki証券がどれだけ新しい風を吹き込めるか――。若い人たちの資産形成を後押しする取り組みが注目される。

tsumiki証券設立の背景や同社が見据える未来について、仲木威雄代表取締役COOに話を聞いた。

■若い人の不安を希望に、小売りのサービス力が強み

――tsumiki証券の設立に込めた思いは。

「資産形成をお手伝いすることによって、若い人が抱えている将来への不安を希望に変えたいという思いがあります。投資は富裕層や高齢者、金融の知識がある人だけがやるものといった敷居の高いイメージがあるかもしれません。しかしそうではなくて、若い人も含め皆さんが安心してお金を育てられるようなサービスを提供したかった。丸井グループは『誰も置き去りにされることなく、すべての人が“しあわせ”を感じられるインクルーシブで豊かな社会』を目指しています 。いまある金融サービスでは行き届いていない若年層を中心に働きかけていきたいと考えています」

「エポスカードの会員は若い人が多いです。コツコツ、ゆっくり、自分のペースでできる積み立て投資が資産形成にかなうと考え、提供するサービスは積み立て投資に限定しました。tsumiki証券の名前の由来も積み木のように資産をコツコツ積み上げていくという意味があります」

――tsumiki証券の強みを教えてください。

「小売業で培ったサービス力ですね。マルイの店舗があるので、対面でもお客さまと向き合えます。専門の金融機関と違って、小売りの感覚で物事を考えられるので、難しい金融用語をあまり使わずにお客さま目線で分かりやすくお話しできます」

「tsumiki証券を立ち上げるにあたって、エポスカード会員の方々と意見交換する座談会を12回にわたって開きました。投資初心者から経験者までのべ50人のお客さまに参加してもらい、取り扱う商品などについてヒアリングしました。こうした生の声を参考にしたので、お客さまが共感しやすい情報の提供やセミナーの開催ができると思います」

tsumiki証券COOの仲木氏

■取り扱いファンドは「顔の見える運用」を重視

――ファンド4本の選定理由は。

「取り扱うファンドは当初から数本に絞り込もうと思っていました。選択肢が多すぎると、初めての方には選びにくいからです。自信を持っておすすめできる商品だけをそろえました」

「重視したのは『顔の見える運用』です。お客さまが大事なお金を託す先なので、その運用会社の『顔』がしっかりと見えなくてはならないと考えたからです。きちんと運用実績を出し続けているかだけでなく、セミナーやホームページ、レポートを含めて顧客に向けた説明がしっかりできているかの『対話力』が重要です。運用組織のチーム力、相場が下がっている時にどういうメッセージを出しているのかなども考慮しました」

「当初は4本だけですが、今後は取り扱うファンドを増やす可能性はあります。ただ、お客さまが迷って選べなくなってしまわないように、増やしすぎることはしません。多くても10本以内に収めるつもりです」

■安心して投資を続けられる仕組みを

――長期の資産形成を根付かせるためには。

「若い人が安心して投資を続けられる仕組みを作っていくことが大事だと考えています。若い人はお金のことや将来のことに不安を感じている人が多いと思いますが、積み立てでコツコツお金を育てることはそうした不安の解消につながります。途中でやめてしまうのが一番もったいないので、続けることが何より大事だと分かりやすく伝えていきたいですね」

「積み立て額は毎月変更ができます。少しずつでも毎月積み立ててもらいたいですが、場合によっては0円にして休むこともできます。続けることがプレッシャーにならないように、自分のペースで安心して長く投資を続けていってほしいと思います」

「資産形成はあくまでも手段であり、目的は人それぞれ異なるとは思いますが、お客さまが人生を自分らしく彩ってもらえることにつながればうれしいです」

tsumiki証券のホームページはこちら→→→tsumiki証券

(QUICK資産運用研究所 西田玲子、石井輝尚、小松めぐみ)

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