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金融庁、新体制初の「つみップ」 運用5社の生の声に質問続々

金融庁が27日夜、同庁発足以来の大規模な組織改正後としては初めてとなる「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)を開いた。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会。終了後の懇親会ではつみたてNISAの推進を統括する新旧幹部が引き継ぎを兼ねて挨拶に立ち、貯蓄から資産形成への流れを促す政策の推進に向けた変わらぬ姿勢を強調した。

■参加者は男女が半々、20~30歳代で半分

今回の参加者は約40人で、男女の比率はほぼ半々。年代別は20~30歳代で全体のほぼ半分を占め、投資経験は3年未満と経験なしが半数に達した。懇親会では20~40歳代の働く女性が目立った。

つみップは運用会社5社(大和証券投資信託委託、ニッセイアセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、楽天投信投資顧問、バンガード・インベストメンツ・ジャパン)の幹部がつみたてNISAへの取り組みを説明し、参加者から質問を受ける形で進行。登壇する運用会社の調整に当たってはブロガーの要望も参考にしたようだ。ゲストには著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんの3氏に加え、経済評論家の山崎元氏らを迎えた。

金融庁職員が冒頭で「なぜ、つみたてNISAなのか」「制度の意義と個人にとってのメリット」などを資料に沿って説明。つみたてNISA対象の投資信託が7月20日時点で155本と、当初から50本ほど増えたことも紹介した。

■つみたてNISAも投信も知らない層が6割

運用会社各社の説明を以下にまとめた。
(大和証券投資信託委託)
・同社のファンドマネジャー25名に「つみたてNISA」で投資するとしたら、というアンケート結果を紹介。アクティブ型よりもインデックス型を選ぶ人が多く、国内株式型よりも海外株式型を多く選好しているなどの特徴があった。

(ニッセイアセットマネジメント)
・6月29日に<購入・換金手数料なし>の「なしなし」シリーズで4回目となる信託報酬の引き下げを実施。5月末時点のシリーズの純資産総額は合計1404億円と増大している。

(三菱UFJ国際投信)
・毎月実施している「つみたてNISA」1万人認知度調査の7月版を紹介。6月時点の認知度は上がっておらず、前月より低い26.6%。特に地方での認知度がやや低い傾向。つみたてNISAはもちろんのこと、投資信託も知らない層がまだ約6割もいる。
・男女比率では女性の認知度が男性よりも低く、男性は年代間の認知度格差が小さいのに対し、女性は20代が低く、年齢が上がるとともに認知度アップの傾向。ただし、女性の認知度は07年9月時点の調査開始時より上昇中。
・各社の代表的なノーロード・インデックスファンドの純資産総額の合計は6月末時点で1兆円突破が間近。資金流入額はNISAが始まった14年に年間で1400億円まで急拡大。18年は半年で既に1800億円集め、これまでの年間で最大を記録した15年の約1700億円を上回っている。

(楽天投信投資顧問とバンガード・インベストメンツ・ジャパン)
・米国株指数連動のインデックスファンドとしてS&P500連動型の組成も検討したが、低コストを追求するうえで、指数使用料のハードルが高く断念し、バンガード社の米国株ETFに投資する仕組みを採用した。

■参加者から質問続々も時間切れで打ち切り

参加者およびブロガーからの質問を以下にまとめた。
・低コスト化による薄利の極みの状況下で、販売会社からは何か言われないのか。
・投資家が損しても売り急がないよう、運用会社としてはどのようにアドバイスするか。
・注目している他社のファンド名を具体的に教えてください。
・低コストで費用があまりかけられない中、どのようにマーケティングしているのか。
・金融資産「ゼロ」世帯の金融資産には普通預金の他、年金も含まないという理解で正しいか。
・2014年以降ノーロード・インデックスファンドへの資金流入額が急増したという説明を受けたが、その一方で、日銀が資金循環統計を見直した結果、家計の投信保有残高が増えていないことが判明した。金融庁はこの状況をどう捉えているか。
・低コスト化が進む中、直販への進出を検討している会社は手を挙げて教えてください。
・繰り上げ償還される可能性はあるか。
・資産配分(アセット・アロケーション)に関するアドバイスやツールを金融庁が個人に提供する可能性について。

■参加者からは「運用会社の生の声はやはり違う」の声

質問は時間切れで打ち切りとなるまで続いた。参加者から時間があれば「例えば、ドイツ、インド、スウェーデンの各1カ国の株式集中型など、インデックスファンドの投資対象地域が今後増える可能性はあるのか」「日本株インデックスファンドの信託報酬の方が先進国株型よりも高止まりしているのはなぜか」といった質問をしたかったといった声が出ていた。参加者からの感想を以下にまとめた。

・制度説明の時間を削ってでも、質疑応答の時間をもっと長く取った方がよかった。
・運用会社の生の声を聞けるのは貴重な体験。ネットで調べるとのはやはり違う。
・運用会社が低コスト化に色々苦心しているのがよく分かった。
・他社の注目ファンドは『株式型』など抽象的ではない具体的なファンド名を聞きたかった。
・損をした時の対処など自分のやり方が間違っていないのを再確認できてよかった。
・自分のように50歳代の主婦でも投資を始められる。成人した息子のつみたてNISAの商品選びについて家族で話し合うのにも、いいきっかけになった。
・楽しかったが、正直なところ理解できなかった説明内容も多い。全面的に初心者向けのつみップを期待したい。
・インド株指数が認定されれば、低コストのインド株連動型ファンドの設定を前向きに検討するという運用会社の話をじかに聞けた。
・女性と若い人の参加が多いのは「つみたてNISA」の趣旨に合ったとてもよい状況。

 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)


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