楽天証券、IFA経由の預かり資産拡大  「3つのA」と「全天候型」を重視

インターネット証券大手の楽天証券が「対面型」の独立系金融アドバイザー(IFA)を介した預かり資産を伸ばしている。IFAは特定の金融機関に所属せず、顧客に資産運用のアドバイスをすると同時に、金融商品の売買に関する仲介業務を担う。楽天証券は2008年にIFA事業を始め、今年3月末時点で70社(所属IFAは計857人)と契約、預かり資産残高は3226億円、顧客口座数は約2万4000に達した。預かり資産と口座数は1年間でそれぞれ41%、29%増えた。

■「3つのA」と「全天候型」を重視
「預かり資産(asset under management)残高」「アドバイザー(advisor)数」「口座(account)数」――。同社の常務執行役員でIFA事業部長の大嶋広康氏がIFAビジネスを進めるうえで何より重視しているのは3つのAだ。「収益は後からついてくる。預かり資産の拡大を優先するのは、IFAサービスが顧客から受け入れられていることの何よりの証左となる」と力説する。

同社はIFA事業者と契約する際、将来にわたる事業の継続性を最重視する一方、事業者が持つバックグラウンドの多様性を許容する。結果として「様々な専門性を持つIFAが集まり、全体として市場環境の変動に左右されにくい『全天候型』の分散された顧客資産基盤が構築されている」(大嶋氏)からだ。

■カンファレンスで契約IFAを表彰

今月25日には都内で18回目となる「楽天証券IFAカンファレンス」を開催した。同社と契約しているIFA事業者と所属IFAを対象に、半期の事業基盤の伸びなどをランキングし、上位の会社と個人を表彰する催し。東京・大阪2拠点で開催し、東京会場には全国から200名あまりのIFAが集まった。

ランキングは上位3社に「アイ・パートナーズフィナンシャル」「CSアセット」「ファイナンシャルスタンダード」が入った。

楽天証券は毎月のようにIFAを志願する個人への説明会も開催している。2017年は約250人が参加した。大手金融機関で営業活動に従事している30代半ばの若手も多いが、「金融商品の販売には長けているのに、個人の資産運用に関して総合的にアドバイスやコンサルティングする実力は十分ではないケースがある」(大嶋氏)のが実情のようだ。

■IFA養成のビジネススクールを7月に開始

楽天証券はきんざい(東京・新宿)と連携して7月からプロのIFAを養成する「楽天ファイナンシャルアドバイザー・ビジネススクール」を開講する。CFP(認定ファイナンシャル・プランナー)や証券アナリストなどの知識を学ぶ基礎コースと、金融商品に関する専門知識に加え、顧客に対して包括的なアドバイスを提供するための実務力を養成する実践コースに分かれ、どちらも有料だ。

「金融商品を販売するのではなく、顧客に寄り添った生涯のコーチとして、付加価値の高い提案ができる実務家を養成するのが主な目標。IFAとしてのその後の独立や、既存の契約IFA事業者への紹介も積極的に取り組む予定」(同社IFA事業部の渡邊めぐ美氏)という。

楽天証券全体の預かり資産残高は3月末時点で5兆円を突破しており、IFA経由はまだ全体の1割に満たない。楽天証券の契約IFAの平均像をみると、IFA1社当たりの預かり資産残高は平均で46億円、1人当たりは4億円弱。IFA事業の収益性は「2017年の平均で預かり資産残高に対して年率1.5%程度」(大嶋氏)のようだ。

預かり資産を拡大しながらIFA事業の収益性を上げていくうえで、顧客の収益や満足度を高める顧客本位のアドバイザーをどのように育成していくのかが重要になってきそうだ。

(QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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