英個人、仮想通貨に消極的? フィンテック投資を拡大

英国民は仮想通貨への投資に消極的――。英調査会社D―CYFORが今年1月下旬に個人1015人を対象に実施した調査(期間1月19~20日)によると、仮想通貨の一種であるビットコインに「投資している」もしくは「投資を考えている」と答えた人が16%にとどまった。昨年2017年11月の調査では22%だった。ビットコイン価格は昨年に急騰劇を演じたが足元で大きく調整しており、投資に二の足を踏んでいる個人が多いようだ。

■今後半年で「ビットコイン価格下落」予想は6割

英個人がビットコイン投資に後ろ向きなのは、先行き価格に対する弱気な見方が台頭している影響が大きい。今後6カ月以内に「価値が下がる」と予想する人が33%と前回調査(17%)から増え、「無価値になる」も28%(前回調査30%)だった。合計で61%の回答者がビットコイン価値下落を予想しており、「上昇する」との回答(39%)を大幅に上回った。年代別では20~30代の「ミレニアル世代」よりも高齢層が価格下落への懸念が強かった。

調査結果はこのところの相場トレンドを反映した面はありそうだが、投機色の強い現状のビットコインに対し、投資に及び腰になっている個人の様子がうかがえる。

■フィンテック投資はライバル国を引き離す英国

いまのところ、「仮想通貨トレード」には慎重な姿勢がみられる英国だが、仮想通貨の基盤技術となるブロックチェーン(分散型台帳)を含むフィンテック(金融とIT=情報技術の融合)関連ビジネスへの投資になると話は別で、投資規模では世界をリードする存在だ。

ロンドン市経済開発機構「ロンドン&パートナーズ」によると、17年のベンチャーキャピタルによるテクノロジー向け投資はロンドンが24億5000万ポンド(約3750億円)と過去最高となり、フィンテック企業への誘致に積極的な仏パリ(5億6500万ポンド)や独ベルリン(4億5600万ポンド)といった都市を大きく上回った。

ロンドン&パートナーズは「最先端技術の開発をリードする環境とイノベーション・エコシステムは、投資家に大きなチャンスをもたらすと同時に、今後数年間にわたって英国のデジタル経済への投資を促すのに役立つだろう」と自信を示す。

■2018年の英IPO第一号はフィンテック企業に

英インテグラフィン・ホールディングスは1月22日、ロンドン証券取引所に上場する計画を発表した。インテグラフィン社は資産運用プラットフォームサービスを手掛けるフィンテック・ベンチャーだ。3月の新規株式公開(IPO)を予定しているが、英メディアによれば「フィンテック企業が2018年の英証取のIPO第一号になる」という。

英国には未上場ながら企業価値が10億ドルを超える「ユニコーン」と呼ばれる有力なフィンテック関連のスタートアップ(創業間もないベンチャー企業)も数多く存在するが、今後数年間でこうした企業がIPOに動くとの期待も根強い。

折しも日本では大手仮想通貨取引所から約580億円に相当する仮想通貨の不正流出が明らかになった。価格の変動が激しく、現時点で評価基準が定まらずリスクの高い仮想通貨そのものにベットするよりも、まずは成長期待の強いフィンテック企業などに目を向ける方が得策かもしれない。

(QUICK資産運用研究所ロンドン 荒木朋)

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