アムンディ「あんしんスイッチ」、人気衰えず残高1000億円突破 気になるパフォーマンスは?

アムンディ・ジャパンが運用する「SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド<愛称:あんしんスイッチ>」(58311177)は19日、純資産総額(残高)が1000億円を突破した。同ファンドは7月下旬に当初設定額613億円という大型設定で運用を開始したのが話題となったが、保守的な資産運用を志向する個人マネーの人気が衰えず、資金流入が続いている。設定から約1カ月半で大台に到達した。

「あんしんスイッチ」は世界の株式や債券、短期金融資産など多岐にわたる金融商品に分散投資し、資産配分を機動的に変更するバランス型ファンドだ。フランスに拠点を置くアムンディ・アセットマネジメントが運用し、世界の株式や債券には主に欧米に上場している低コストのETF(上場投信)を通じて投資している。

大きな特色は、日本で初めて基準価額に応じた「プロテクトライン」と呼ぶ下値水準を設定した点だ。基準価額がそこまで下落した場合は、保証契約により基準価額がプロテクトラインを下回ることなく繰上償還される。ただし、保証契約を履行する銀行が経営破綻した場合には償還価額がプロテクトラインを割り込む可能性も残る。

設定時のプロテクトラインは当初元本1万円の90%の9000円。基準価額が1万600円に到達するとプロテクトラインは1万円に引き上がり、1万1111円に達した後は日々の基準価額の最高値の90%の水準になる。一旦上昇したプロテクトラインはそれ以下には下がらない。

月次レポートによると、8月31日時点の組み入れ比率は株式が18.4%、債券が58.1%、短期金融資産などが23.5%。同時点の設定来リターンはマイナス0.13%で、基準価額は最高値の1万4円と最安値の9971円の範囲で推移した。値動きが緩やかで安定した運用が特徴と言える。

メガバンクの三井住友銀行が販売し、購入時に手数料がかからない「ノーロード」という点も人気の理由かもしれない。運用経験の乏しい保守的な預金マネーがじわりと動いている。

一方、信託報酬は保証料の0.2200%と合わせて年率1.4404%(税込み)。運用内容が似た「アムンディ・ダブルウォッチ 」(58311161)の1.2960%を上回る。

■気になるパフォーマンスは?類似ファンドの実績

「あんしんスイッチ」と、2016年1月に設定された「ダブルウォッチ」との主な違いは、保証契約がついているかどうかだ。「ダブルウォッチ」も日々の基準価額の最高値の90%を「フロア水準」とするが、基準価額がフロア水準を割り込むと繰上償還が決まり、償還価額がフロア水準を下回る場合がある。

「ダブルウォッチ」も設定以来、順調に残高を積み上げ、19日時点の残高は1300億円に迫っている。購入時の手数料は最大で2.16%かかるが、「あんしんスイッチ」が設定された後も日々の資金流入傾向は続いている。販売会社は8月末時点で三井住友銀行を含む26社(9月に2社追加)。

「あんしんスイッチ」のプロテクトラインや「ダブルウォッチ」のフロア水準の考え方を取り入れたファンドの運用はもともと欧州で広がった。アムンディは本拠地のフランスで1990年代前半から「プロテクト90シリーズ」の運用を始め、国民性が保守的とされる同国で人気を集めた。現在は欧州をはじめ香港やシンガポールでも販売され、8月末時点の運用資産残高の合計は円換算で約6400億円にのぼるという。

気になるのは、これらのファンドの過去の運用実績だ。「ダブルウォッチ」の販売用資料によると、フロア水準の付いた類似ファンドの「Amundi Protect 90 ESR(ユーロ建て)」の場合、2008年11月14日の設定から17年3月末まで基準価額は一度もフロア水準を割らずに緩やかに上昇してきた。同ファンドも運用対象は世界の株式と債券、短期金融資産で、この間の年率リターンはユーロ建てで2.26%、円ヘッジベースで2.78%(費用控除後)となっている。

1991年に設定された別の類似ファンドでは、リーマン・ショックが起きた2008年の年間の運用実績がマイナス2.4%(ユーロ建て)にとどまり、フロア水準割れを回避した。「あんしんスイッチ」も、市場のリスクが高まる局面では債券や短期金融資産の組み入れ比率を高めてプロテクトラインを割り込まないように運用する。

(QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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