QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2018/05/10)
・原料高などが厳しく、今期の事業利益は前期並みに
18/12期の連結業績について企業価値研究所では、売上高3570億円→3530億円(前期比3%増)、事業利益(日本基準の営業利益に近い指標)300億円→290億円(同1%増)へ小幅下方修正する。国内での高付加価値製品の拡大と海外での数量増・パーソナルケア分野へのシフトにより、業績が底堅く推移するとの見方に変更はないが、1Qの実績が想定を下回ったほか、原料高の影響も厳しいため、事業利益でほぼ前期並みの水準に引き下げた。続く19/12期以降は、国内外での一段の競争激化などが懸念されるものの、高付加価値製品の数量増と合理化により業績の拡大が続く見通しだ。ただし、中期経営計画で目標とする20/12期の事業利益400億円のハードルは高く、海外部門の一段の利益率向上などが求められる。
・1Qの事業利益は8%減に。事前の想定も下回る
18/12期1Q期の連結事業利益は、前年同期比8%減の60億円だった。産業用品部門が好調に推移したほか、国内外で高付加価値製品の販売が増加したが、原料高や情報投資に伴う費用増などで減益となり、当研究所の事前の想定にも届かなかった。
・リスクファクター ~国内消費の冷え込みなど
・アナリストの投資判断 ~足元の水準には割安感がある。株価は再度上昇へ
18年3月後半から上昇していた株価は、1Qの決算が市場の想定を下回ったことで急落。足元では今期の当研究所予想連結PERで約25倍と、トイレタリーメーカーの平均を下回る水準にある。今期は原料高や経費増が負担となるが、国内外での高付加価値製品の拡大と合理化で業績は底堅く推移する見込み。来期以降の業績拡大も勘案すると、同社の過去の水準並みとなる同28倍程度の評価は可能であり、株価は再度上昇に向かうと考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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