QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2018/04/26)
・完工粗利益率が改善。会社側は利益計画を増額
会社側は4月25日、18/3期通期の連結業績を見直した。売上高は前回計画(18年2月)から806億円減額の1兆5194億円(前期比3%減)とする一方で、営業利益は同248億円増額の1213億円(同6%減)に見直した。設計施工案件などで施工効率が向上したほか、施工現場での原価改善効果、労務・資材価格が想定したほど上昇せず、完工粗利益率が想定を上回って改善した。
・当研究所の予想も会社修正計画と同額に見直し
企業価値研究所では、決算が確定した時期における会社側の業績予想修正であるため、18/3期通期の業績予想に関しては会社側修正値と同額に修正する。続く19/3期および20/3期の連結業績に関して当研究所では、暫定的に前回予想(18年3月)を据え置く。ただし、18/3期の完工高が当研究所の想定を下回り、手持ち工事が前回想定以上に拡大しているため、19/3期、20/3期ともに業績見通しは上方修正含みではあるが、18/3期実績および19/3期会社計画などの詳細を確認したうえで予想を見直す。
・リスクファクター ~労務費、建設資材の価格上昇
・アナリストの投資判断 ~中期的な増益基調を確認で上値切り上げ見込む
株価は12年末以降、上昇トレンドが継続し、15年8月には1237円の高値をつけた。その後は株式相場全体の下落を受けて伸び悩んだが、17年4月以降は好調な業績を背景に上昇基調を強め、11月には1991年以来の水準となる1396円の高値を付けた。しかし、株式相場全体の下落などを背景に、足元の株価は1000円近辺で推移している。当研究所では中期的に営業増益基調を見込んでいる。当研究所の見込みどおり、中期的に強気なガイダンスが示されれば、再度、上値を切り上げる公算が大きいと考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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