QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2018/01/22)
・21/2期営業利益目標3400億円は「絵に描いた餅」か
会社側は昨年12月、地域ごとの企業再編や商品ごとの専業会社化、分社化などを軸としたSM、GMSの改革、アジアの収益拡大、IT投資などをテコに21/2期に連結営業利益3400億円を目指すと発表。ただし、再編や分社化に関する具体的な枠組みや時間軸は示されておらず、その効果も未知数。「中計」目標未達を繰り返してきたこれまで同様、20年に向けた今回の変革方針も「絵に描いた餅」で終わるのか、注視したい。また、営業利益が目標を達成しても、投資戦略の見直しや閉店・事業撤退などが進まない限り、純利益、ROEの停滞が続こう。国内外のモール出店計画は依然旺盛だが、大規模な設備投資は財務体質の悪化にもつながるため、引き続き警戒が必要だ。
・20/2期営業利益2375億円とした当研究所予想変えず
連結営業利益の企業価値研究所予想は今期2100億円(前期比14%増)、来期2275億円、20/2期2375億円。前回予想を据え置いた。今期はGMSの損益改善が牽引し6期ぶりに営業最高益を更新する見通し。ただし、この間の新規連結(ウエルシアHD(3141)とU.S.M.H(3222))を考えると、手放しでは喜べない。アジアが投資回収期入りするディベロッパーやシェア拡大が続くドラッグなども20/2期にかけて全体の利益成長を後押ししよう。
・リスクファクター ~上記リスクに加え消費減速など
・アナリストの投資判断 ~資本効率を重視する機関投資家を動かすには投資戦略の見直しなど不可欠
過去3年間平均のPBR、EV/EBITDA倍率、配当利回りに基づき、現在の株価は許容範囲と判断。資本効率を重視する機関投資家を動かすには、投資戦略見直しや不採算・非効率な店舗・事業からの撤退などが不可欠だろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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