QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2017/12/06)
・スマホ関連需要が伸び海外工場の稼働改善も進む
17/12期3Q累計の営業利益は前年同期比42%増の27億円。今期業績は出足が鈍かったが、2Qはスマホ、半導体関連の需要などが回復。3Qは2Qの回復の流れが継続し、iPhoneXの周辺機器関連の需要の伸長、海外工場の稼働改善などもあり、売上高が伸長、利益率も改善した。3Qを踏まえ会社側は17/12期通期計画を上方修正(営業利益34億円→37億円)。企業価値研究所も小幅だが通期予想を再度増額する(営業利益38億円→39億円)。会社の4Qの計画は現状保守的とみる。当研究所は3Q業績の回復の強さ等を踏まえ、来期18/12期の業績予想も今回やや増額する。スマホ関連の一定規模の需要発生、車載・通信関連の底堅い需要、足元の設備投資の効果等が業績伸長に寄与するとみる。
・高い財務健全性を維持。会社は配当予想を再増額
17/12期3Q末の自己資本比率は91.2%と高水準を維持。株主還元率は高水準が続いており、会社は17/12期の配当予想も1株当たり年間52円→56円に再増額した。当面は高水準で設備投資を行っていく方針だが、引き続き相応に高い水準の株主還元が維持されよう。
・リスクファクター ~電子機器の需要、中国経済等
・アナリストの投資判断 ~引き続き業績回復や株主還元への期待等背景に底堅いとみる
株価は直近3Q決算発表を経て一気に年初来高値圏まで上昇。堅調な決算内容や配当予想の増額などが好感されたとみられる。現状当研究所の17/12期予想PERは24倍程度、実績PBRは1.4倍程度。同社の過去3年平均を上回り、PERは現状の機械セクターの平均よりも高く、割安感は以前に比べ薄いといえる。しかし、業績回復の見通しや株主還元への期待の高さなどを背景に、引き続き株価は底堅く推移すると予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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