QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2017/12/01)
・会社計画より弱めの今期利益予想を据え置く
18/3期上期の連結業績は増収増益。会社計画に対しては経常収益が下振れたが、経費抑制等で利益は上振れた。会社は期初公表の通期業績計画を変えていない。企業価値研究所は会社計画よりやや弱い前回利益予想(経常利益380億円)を据え置く。経常収益予想を下げるが、経費抑制等でのカバーを見込む。ATMの平均利用件数の伸び悩みは懸念材料。キャッシュレス化の影響が大きくなり始めた可能性がある。ただ単価が底堅いため、経常収益の大幅な下振れは想定しない。競争環境激化で米国子会社FCTI社の今期業績は下振れる可能性が高い。銀行単体で完全にカバーするのは難しいとみる。
・20/3期はFCTI社損益改善、減価償却費減少を予想
当研究所は来期、再来期と引き続き増収増益を予想。前回利益予想を据え置く。平均利用件数は減少傾向が続くとみるが、「LINE Pay」等との新サービス、ATM台数の増加、その他事業の成長等で銀行単体の増収維持を予想。北米7-Eleven店舗へのATM設置によるFCTI社の損益改善、減価償却費の減少等で20/3期の増益は強まるとみる。配当額は当面増加基調が続くと予想する。
・リスクファクター ~利用件数の伸び悩みなど
・アナリストの投資判断 ~利益回復期待背景に再び上値を試す展開を予想
株価は今年に入り回復傾向にあったが、上期決算発表後は軟調となった。ATM利用件数の伸び悩みによる業績回復の遅れの懸念などが要因とみる。当研究所の18/3期予想に基づくPERは17倍程度で、同社の過去3年平均や、関連する小売セクターの現状の平均などと比べ低い。20/3期に向けた利益改善の見通し等を踏まえると、割安感があるとみる。株価は利益回復期待を背景に、再び上値を試す展開を見込む。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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