QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2017/11/09)
・放送事業は厳しい利益予想継続
企業価値研究所は今18/3期の営業利益予想を前期比2%増の227億円へと21億円増額した。保有ビルの売却などで都市開発事業の直近2Qが大幅増益になったことを反映した。ただ、都市開発事業以外の主要事業は低迷しており、全体の利益水準は依然低い。放送事業は今春の戦略的な番組改編効果はみられず視聴率低迷が続いている。
来期以降の営業利益予想は小幅減額した。利益貢献度の高い不動産売却の継続は予想し難く、都市開発事業の利益予想は小幅増額にとどめた。その一方で放送事業を除くその他の事業の利益予想を総じて減額し、全体では小幅減額になった。放送事業の利益予想は従来も厳しくみていたため今回は据え置いた。
・番組制作費削減続き、視聴率回復は容易でない
業績回復には視聴率回復が最優先課題になる。ただ、厳しい業績を背景に番組制作費を十分に投下出来ない。今期の番組制作費は同業他社は積極的に投下する計画ながら、同社は引き続き削減する方針。視聴率回復は容易ではなかろう。
・リスクファクター ~内需低迷、視聴率低下他
・アナリストの投資判断 ~水準修正的な株価上昇あるも本格上昇は期待し難い
当研究所では、「株式相場が急伸するなか出遅れ感が強まり、水準修正的に幾分の株価上昇余地はあるが業績低迷で本格的な上昇は期待し難い」と判断する。当研究所予想の今期PERは過去平均に比べて割高。一方では、1株当たり純資産でみた株価指標であるPBRや今期予想配当利回りは過去平均水準。収益の安定感がある都市開発事業の利益構成が高まっており、赤字転落リスクや減配リスクは小さい。よって、PBR、予想配当利回りの両指標が株価を底支えしよう。投資に当たっては引き続き視聴率を注視したい。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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