QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2017/10/17)
・医療用の苦戦等から今来期減益を予想
企業価値研究所予想の18/2期通期の連結営業利益は前期比6%減の248億円。上期の業績は概ね想定通り推移しており前回予想を据え置く。主力の経皮鎮痛消炎剤「モーラステープ」など医療用医薬品の苦戦や米国子会社ノーベン社の事業戦略変更(営業部門の閉鎖や製造販売承認権の譲渡製品など)の影響で営業減益を予想する。
続く19/2期と20/2期についての連結営業利益も変更なし。19/2期が同6%減の234億円、20/2期は同2%増の238億円を予想する。19/2期は引き続き「モーラステープ」の苦戦を見込んだほか、薬価引き下げの影響もあり減益、20/2期は一般用医薬品の伸長等から増益を予想する。
・四半期営業利益は1Qが11%減、2Qは6%増
18/2期上期の連結営業利益は前年同期比2%減の126億円。四半期別にみると1Qが同11%減の51億円、2Qは同6%増の75億円になる。1Qはノーベン社の落ち込みに加えて、「モーラステープ」を中心とする久光単体の苦戦もあり減益。2Qは久光単体が回復、連結全体でも増益を達成。
・リスクファクター ~医療制度改革と主力製品への依存度の高さ
・アナリストの投資判断 ~今来期減益予想、投資は慎重に
株価は8月23日に年初来安値となる4985円をつけたが、足元は5700円台まで回復。株式相場全般の上昇に加えて18/2期2Qにおいて主力の「モーラステープ」が回復傾向を示していることなどが評価されているようだ。しかしながら、当研究所では今来期は減益を予想しており慎重な投資スタンスで臨みたい。株価の上昇には次の成長を担う新薬の開発などが必要と考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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