イオン(8267) 11月の方針説明会で投資戦略見直しや不採算事業撤退を打ち出せるか

QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2017/10/12)

・GMS、国際の損益改善など鑑み営業利益予想を増額
今期2QにおけるGMS、国際の損益改善やウエルシアHD(3141)の好調を勘案し、連結営業利益の企業価値研究所予想を増額。今期は6期ぶりの過去最高更新見込みだが、この間のウエルシアHD、U.S.M.H(3222)連結を考えると、手放しでは喜べない。収益構造改革中のイオンリテールでは営業利益が12/2期の3分の1程度にとどまる見通し。20/2期にかけて3年間で528億円の連結営業増益を予想。事業別ではGMS、ディベロッパー、ドラッグ、国際、総合金融の順で損益改善幅が大きい見通し。

・特損、非支配株主利益響き純利益予想は依然低水準
連結純利益予想も増額したが、減損など特損や上場子会社の非支配株主利益控除の影響で依然低水準。ROEも20/2期3%台にとどまる見通し。会社側は11月20日に中・長期事業方針説明会を開催予定。その際、ROE改善に向け、イオンリテール、ダイエーの収益構造改革だけでなく、特損の元凶である投資戦略の見直し、不採算な店舗・事業からの撤退といった施策が打ち出されるか注視したい。モール出店計画は内外とも旺盛だが、財務体質、資本効率の悪化リスクに加え、モール閉店が相次ぐ米国(ECとの競合が主因)の二の舞となる懸念も。高齢化に伴う郊外モールの競争力低下へも警戒が必要だ。

・リスクファクター ~上記リスクに加え消費減速など

・アナリストの投資判断 ~個人投資家人気で株価下振れリスク小さいが、上昇には資本効率改善策必要
過去3年のPBR、EV/EBITDA倍率、配当利回りに基づき、現在の株価は許容範囲と判断。家計応援型株主優待を主因に個人投資家からの人気が根強いため、株価の下振れリスクは小さい一方、株価上昇には資本効率を重視する機関投資家を納得させるだけの改善策を示す必要があるだろう。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)

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