楽天(4755)低下続く「国内EC」の利益率。本格参入の広告事業が改善へのカギに

QUICK企業価値研究所アナリスト
清水康之(17/9/29)

・販促や広告宣伝、新規事業投資が負担に
主力事業「楽天市場」を含む「国内EC(電子商取引)」の利益率低下が続いている。競争が激化するECにあって、大規模な販促や広告宣伝、新規事業への投資負担が重く、利益率改善に向けた施策が急務になっている。電通との合弁会社を通じて本格参入する広告事業の成否が利益率改善へのカギになりそうだ。

・来期営業利益は小幅増予想に修正
17/12期上期の連結営業利益は、出資先株式の評価益が押し上げ前年同期比39%増だった。昨年12月に子会社化した日用品通販会社の爽快ドラッグや好調な楽天カードなどが貢献し、売上収益は同19%増だが、販促費用などが負担となり、評価益控除後の営業利益は約1割の増加にとどまった。企業価値研究所では、17/12期の連結営業利益を前期比74%増、18/12期の同利益を同3%増と予想。基本的な見方に変更はないが、評価益の反動から、6月時点で減益を見込んでいた来期予想は、爽快ドラッグや格安スマートフォンサービスなどの寄与見直しに伴い、小幅ながら増益の予想となる。

・リスクファクター ~会員情報流出、競争激化など

・アナリストの投資判断 ~具体的成果乏しく、株価にプレミアムは期待し難い
方向感の定まらなかった株価も5月に入ると、大幅増益となった1Q決算に反応して上昇する局面もあった。しかし、昨年来の戦略修正の成果が出ている訳ではなく、「楽天市場」の成長鈍化懸念も払拭できないため、8月以降の株価は下落傾向にある。足元株価の連結PERは、当研究所の今期予想ベースで約21倍。他のネット企業に比べた割高感は解消されているが、成果が出ていない現状では、株価にプレミアムは期待し難い。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)

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