QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2019/09/03)
・来期以降の2桁営業増益予想にも変更はない
企業価値研究所の20/3期連結予想営業利益は920億円(前期比3.3倍)。為替レートを円高方向に見直したが、1Q実績が順調だったため据え置いた。実質ベースの堅調な伸びに加え、前期に計上した一過性の損失一巡で大幅な増益を見込んでいる。デジタルカメラの映像は赤字が続くとみているが、内視鏡や治療機器などの伸びにより来期以降も連結全体で2桁増益が続く見方に変わりはない。
・内視鏡は中国市場が牽引へ
内視鏡は、主力の消化器内視鏡が製品サイクルの末期となっているため成長力が低下しているが、経済力が高まっているものの普及率が低い中国では高成長が続いている。今後も高い伸びを続けていけるかみていきたい。
・20/3期1Qは営業黒字に回復
20/3期1Qの連結営業利益は147億円(前年同期は116億円の損失)となった。前年同期に計上した証券訴訟の和解金などが一巡し、黒字に回復した。
・リスクファクター ~為替相場の変動、医療における当局の規制、製造物責任、映像における競争激化など
・アナリストの投資判断 ~順調な業績と円高が拮抗。当面は現値水準が続くものと考える
当研究所では、当面の株価の株価について、概ね現値水準で推移するものとみている。1Qは順調な進捗で、実際決算発表翌営業日の値上がりをみてもポジティブに評価されている。それにもかかわらず最近の株価がやや軟調に推移しているのは、円高進行がネガティブにみられているためだと考えられる。当面は業績面の順調さと為替リスクが拮抗する状況が続く公算が大きいとみた。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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