QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2019/08/22)
・足元の売上低迷を受け今期営業13%減益予想に減額
連結営業利益が前年同期比11%減だった1Q実績や7月の売上低迷を受け、今期の企業価値研究所予想を前期比13%減に減額。三越伊勢丹は1Qの2.5%減収に続き、7月は4.4%減収(梅雨寒で夏物苦戦)。日本橋・新宿の第2期リモデル工事による売場縮小、不採算な一部催事からの撤退、消費増税の影響を考慮すると、ここからの挽回は困難だろう。オンラインビジネスへの挑戦に係るデジタル費用やマンション売却益剥落もあり、2桁減益へ。
・赤字店閉鎖など一段の構造改革に期待
来期の連結営業利益は前期比31%増の335億円を予想。改装・五輪効果、工事影響の反動により利益回復が進むとの見方を変えていないが、「百貨店離れ」にも歯止めがかからないため、五輪効果が剥落する22/3期は利益停滞を予想。22/3期の会社目標500億円との乖離は大きい。赤字店閉鎖や非コア事業からの撤退、本部人員削減など、一段の構造改革に期待したい。基盤整備を進めているオンラインビジネスについては、実効性が未知数とみて、当研究所予想には織り込んでいない。なお、将来は新宿再開発が成長ドライバーになり得るとみている。
・リスクファクター ~投資回収リスク(改装・デジタル)
・アナリストの投資判断 ~PBRはリーマンショック時を下回り、下値リスクは小さいとみる
株価下落により足元の実績PBRは0.53倍まで低下。リーマンショック直後を下回るため、更なる下値リスクは小さいだろう。オンラインビジネスへの成長投資よりも、更なる構造改革に踏み込めるか否かが、株価回復の鍵を握るとの考えを継続。杉江社長が日経新聞インタビューで検討を示唆した自己株取得にも期待したい。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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