QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2019/08/09)
・テンセントと組む中国展開が今後の上振れ要因に
「Switch」は昨年と違い夏場のソフトラインナップが比較的充実。9月20日に小型・廉価の携帯専用「Switch Lite」の発売も決まり、『ポケモンSS』(11月発売)、『あつ森』(来年3月発売)による子供・女性層開拓の確度が増してきた。今後、「3DS」からの買い替えが進み、「Switch」のライフサイクル長期化につながろう。当研究所予想には織り込んでいないが、テンセントと共同で取り組む中国展開(開始時期未定)も今後の上振れ要因として期待。
・デジタル化加速も22/3期にかけ利益成長を後押しへ
連結営業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。今期は「Switch」拡販をテコに、「DS」「Wii」全盛期以来、10年ぶりの3000億円超えへ。22/3期にかけてデジタル化の加速も利益成長を後押ししよう。デジタル流通への構造変化は利益率向上、息の長い商機をもたらす。同社のDL比率は同業他社と比べ極めて低く、伸びしろは大きい。有料オンラインサービス「Switch Online」(昨年9月開始)の加入者も1000万人を突破。加入者積み上げによる利用料が安定収益基盤となろう。DL購入がお得になる「カタログチケット」や「Switch」ソフトが無料で遊べる期間限定イベントなど加入者特典により加入率が高まる公算も。
・リスクファクター ~ユーロ安、対中関税引き上げなど
・アナリストの投資判断 ~株価上昇余地ありとみるが、リスクを考慮すると、余り強気の見方はできず
来期PER(当研究所予想)は18倍。当研究所はこれまで同様、PER20倍前後を適正水準として、株価は尚も上昇余地ありとみる。当研究所予想には中国展開を織り込んでいないが、上記リスクを考慮すると、余り強気の見方はできない。短期的には、今夏配信開始予定の『マリオカートツアー』や9月20日発売予定の「Switch Lite」の立ち上がり、例年9月に行っている「Nintendo Direct」による最新情報などが株価の変動要素となる見通し。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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