米中暗転で世界景気に懸念 突破口は先端技術と財務力【投資情報マンスリー5月】

主要国は政策サポートを一段と強化へ

米中貿易交渉は最終局面を迎えて一気に暗転。米中の制裁関税引き上げの応酬となり、楽観ムードが支配的だった主要国の株式市場は一転して大幅な調整に見舞われた。米中貿易摩擦が再び激化することで、世界景気の失速が懸念されるが、主要国は政策サポートを一段と強化しよう。

米国のトランプ大統領は、米連邦準備理事会(FRB)に対して公然と利下げを要求したほか、野党の民主党指導部と2兆ドルのインフラ投資法案を検討することを決定するなど、20年11月に予定される大統領選での再選に向けた支持率向上に余念がない。米国の景気失速、株価の継続的な下落を放置するとは考えられない。中国の習近平政権、日本の安倍政権も同様だ。

脱炭素・省電力・ロボ・物流・5Gに好機

日本電産(6594)は19年3月期決算説明会資料の中で、中長期的な経営環境の変化を「5つの大波」と形容した。すなわち、(1)脱炭素化の波、(2)省電力化の波、(3)ロボット化の波、(4)物流革命の波、(5)デジタルデータ爆発の波(5G=第5世代移動通信システム=に起因する多様な次世代技術など)、である。マクロ環境悪化の影響はあっても、産業レベルの技術革新の進展、それに関連した設備投資拡大は継続しよう。引き続き、村田製(6981)、太陽誘電(6976)など電子部品大手企業の一角に注目したい。また、国内主要企業は強化された財務基盤を背景に、増配、自己株式取得などの株主還元を一段と積極化しつつある。株主還元に継続的に注力する企業も個別に評価を高めよう。

(QUICK企業価値研究所 チーフストラテジスト 堀内敏成)

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