QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2019/04/26)
・ほぼ従来予想通りの小幅増収、増益を見込む
19/12期の連結業績について企業価値研究所では、売上高が前期比4%増の1兆5700億円、営業利益が同9%増の2270億円を予想する。1Qの実績を踏まえて分野別で見直したが、連結全体では従来の予想をほぼ据え置いた。前期比では化粧品分野の好調が続くとともに、18年後半に出荷が急減したベビー用紙おむつを中心としたヒューマンヘルスケア分野も新製品投入などの効果で期後半には回復に転じ、連結全体で小幅増収、増益となる見通しだ。続く20/12期以降も、数量増と高付加価値品シフト、合理化の効果で増収、増益基調が続こう。なかでも化粧品分野は、注力するブランドの絞込みなど構造改革が効果を上げており、一段の拡大が期待される。
・1Qは小幅減益だったが、ほぼ想定通りの水準
19/12期1Qの連結業績は、売上高が前年同期比1%減の3469億円、営業利益が同3%減の382億円だった。ケミカル事業の製品価格下落とベビー用紙おむつの低迷で若干の減収、減益だったが、ほぼ事前の当研究所の想定通りの水準で、決算内容に驚きはなかった。
・リスクファクター ~ベビー用紙おむつの回復の成否
・アナリストの投資判断 ~業績拡大を追い風に、株価は上昇へ
ベビー用紙おむつ事業の苦戦で18年秋に急落した株価は、その後徐々に下値を切り上げているが、足元でも当研究所の今期予想連結PERで約26倍と、トイレタリーメーカーの平均を下回る。紙おむつ事業は期後半にかけて回復が見込めるうえ、化粧品分野の好調持続もあって連結全体で業績は堅調な推移が予想される。過去の好調時の同社の平均的なPERである28倍程度の評価は可能であり、18年10月につけた上場来高値の更新も視野に、株価は上昇に向かうと考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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