QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2019/03/15)
・減益基調続くとの見方は継続
企業価値研究所予想の19/3期の連結営業利益を690億円→680億円(前期比12%減)と修正。3Qまでの実績を踏まえて筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」や販管費の予想等を見直した結果、小幅減額。17年8月に米国で発売した「ラジカヴァ」の利益貢献は期待されるが、国内薬価引き下げやロイヤリティ収入の減少、研究開発費の増加もあり減益を予想。
続く20/3期と21/3期の連結営業利益は20/3期が610億円→600億円(同12%減)、21/3期は400億円(同33%減)で変更なしと見直した。多発性硬化症治療剤「ジレニア」の米国物質特許満了の影響で減益基調が続くと予想する。
・3Q累計は2%減収、18%営業減益
19/3期3Q累計の連結業績は、売上収益が前年同期比2%減の3325億円、営業利益は同18%減の564億円。米国「ラジカヴァ」は伸長したが、薬価引き下げや事業譲渡等の影響で国内が苦戦、ロイヤリティ収入等の落ち込みや研究開発費の増加もあり減収・減益。
・リスクファクター ~医療費抑制や副作用、開発中止など
・アナリストの投資判断 ~新薬の開発・育成に注目
株価は17年7月に上場来高値となる2748円をつけたが、その後は総じて軟調に推移し足元は1600円前後。19年8月に「ジレニア」の米国物質特許が満了するなど厳しい事業環境が続く。株価の上昇には次の成長を担う新薬の開発や育成などが必要と考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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