QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2019/03/06)
・『JC4』失敗を主因に営業利益予想を減額
今期HDゲーム主力作の一つ、『JC4』の失敗を主因に連結営業利益の企業価値研究所予想を今期260億円(前期比32%減)、来期375億円に減額。最高益更新は21/3期以降にズレ込む見込み。流通デジタル化が追い風との見方は不変だが、主力作の低評価は追加販売を見込んでいた来期業績にも影響を及ぼそう。今期主力作の『KH3』、『SotTR』は好調なだけに、同社開発力に綻びが生じたわけではないが、品質管理という点で課題を残した。スマホゲーム失速や『JC4』失敗により今期3Q累計で営業65%減益だが、好発進した『KH3』の貢献やスマホゲームのヒット作誕生により4Qは巻き返す見込み。
・デジタル化が収益性改善、長期の商機拡大に
デジタル流通への構造の変化がHDゲームの収益性改善、長期の商機拡大、安定収益基盤構築につながっており、来期は『SotTR』、『KH3』の追加販売が利益を押し上げよう。来期は当研究所が発売を想定する『FF7リメイク』、『Avengers』関連作に加え、『FF14』拡張ディスク投入もあり、利益回復へ。国内開発組織再編、海外開発体制強化で今後もHDゲーム新作に極端な空白期間が生じない見通し。『FF16』や米マーベルとの協業、多様なIPの創出・育成力も成長ドライバーとして期待される。
・リスクファクター ~開発費の回収リスク、円高など
・アナリストの投資判断 ~6月「E3」での『FF7リメイク』情報解禁期待などが株価上昇を後押しへ
来期の利益回復を考慮すれば、来期PER(当研究所予想)15倍の水準では、株価上昇余地があるとみる。6月の米ゲーム見本市「E3」で『FF7リメイク』、『Avengers』関連作に関する情報解禁が予想されるほか、中国新作ゲーム認可再開(昨年末)でテンセントとの戦略提携が動き出す可能性もあり、こうした期待が株価上昇を後押ししよう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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