QUICK企業価値研究所アナリスト 前田俊明(2019/03/01)
・3Q累計は先行投資費用があるも小幅営業減益
19/3期3Q累計の連結業績は前年同期比5%増収、同2%営業減益。持続的成長のための将来に向けた基盤整備に対する投資負担はあったが、減益幅は想定を下回った。企業価値研究所では、先行投資は織り込み済みで全般的には順調な進捗と判断している。通期は前期比4%増収、同4%営業減益に小幅引き上げる。
・システム・人への集中投資で基盤整備を実施
同社は2030年を一つのターゲットとして、「セコムグループ2030年ビジョン」を推進している。このビジョンのもと様々な施策に取り組んでおり、2030年に向けた成長をさらに確かなものにするため、新たに「セコムグループロードマップ2022」を策定。この中で、19/3期、20/3期は持続的成長のための将来に向けた基盤整備を行う年にするとともに、新たな価値創造による新事業の創出・育成や既存業務の拡充を進める。2年間で「人への投資」と「システム投資」を集中的に実施する。
・20/3期は投資成果が段階的に表れると期待
当研究所は投資成果が段階的に表れると期待し、20/3期の連結業績は緩やかな営業増益に戻ると予想する。
・リスクファクター ~法人顧客の業績動向
・アナリストの投資判断 ~上値の重い展開を見込む
セキュリティサービス事業の回復などにより、株価は12年央以降に上昇基調に入り、15年には2000年以来15年振りに9000円台に到達。18年12月には9827円と1万円近くまで上昇する場面もあった。当研究所予想を基にしたPERは19/3期24倍、20/3期23倍。将来の成長加速に向けた先行投資の増加から、利益面では踊り場を迎えており、指標面での割安感はない。投資の成果が利益成長に結びつくまで上値を切り上げる展開は見込みにくいと判断している。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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