QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2019/02/28)
・高価格帯製品を中心に販売は順調に拡大
19/12期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高1兆1900億円→1兆1800億円(前期比8%増)、営業利益1490億円→1320億円(同22%増)へ引き下げる。高価格帯製品を中心に、国内外で販売は順調に拡大。しかし、中国などでマーケティング費用を想定以上に大幅に積み増す方針が示されたほか、製品供給体制強化へ向けた費用増もあり、利益面を中心に予想を引き下げた。前期比では、数量増と採算改善の効果で大幅な増益となる見通し。翌20/12期以降も、国内外での数量増と採算改善、合理化の効果で順調な業績拡大が続こう。急激な需要増に対応するための生産体制整備も進むが、生産性向上など一段の製品供給体制強化が急がれる。
・4Qの費用増で想定を下回ったが、大幅な増益に
18/12期の連結営業利益は、前期比35%増の1084億円で着地。高価格帯製品を中心とした国内外での販売好調と採算改善により、業績は順調な伸びをみせた。ただし、4Qにマーケティング費用などが想定以上に増加したため、当研究所が予想していた1250億円を下回った。
・リスクファクター ~製品供給体制や中国事業など
・アナリストの投資判断 ~業績拡大を確認しつつ、株価は引き続き上昇へ
18年6月まで上昇を続けた株価は、その後インバウンド消費の伸びの鈍化などが嫌気されて下落。19年1月に入って底入れしたものの、足元でも当研究所の今期予想連結PERで約36倍と、過去の好調時の水準と比較して低位にある。製品供給体制の整備やマーケティングの強化に向けた費用が増加しているが、高価格帯製品の数量増で業績は引き続き順調な拡大が見込まれる。これを確認しつつ、株価は引き続き上昇に向かおう。同社の過去のPER水準などを勘案すると、同40倍程度の評価は可能と考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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