QUICK企業価値研究所アナリスト 前田俊明(2019/02/22)
・2Qに発生した不採算案件で3Qも追加引き当て
19/3期3Q累計の営業利益は前年同期比8%増。不採算案件が増加し、企業価値研究所が期待した利益水準に届かなかった。不採算案件は大部分が前期に発生した不採算案件に関連するもので、工程が進んだ段階で新たな手当てが必要になった。2Qに引き当てたが、必要な工数を精査したところ3Qにも積み増しを迫られた。
・4Qはコストコントロールに期待
当研究所は19/3期通期の営業利益の予想を引き下げ、会社計画と同額とする。修正後の予想でも4Qの営業利益の水準は高いが、同社では「営業利益は不採算影響を全社でカバーし、通期業績予想を達成の見通し」としており、全社レベルでコストコントロールを強める考え。当研究所はコストコントロールで補える範囲内と判断した。前期比では、増収効果に加え、北米セグメントでの損益改善などを見込む。北米セグメントはコスト削減が進みつつあるほか、16年11月に買収した北米子会社のPMI(Post Merger Integration:買収後の統合作業)が前期でピークを越えたことから関連費用が減少する見込み。今後は競争が激しくなっている北米拠点の立て直しが課題となる。
・リスクファクター ~不採算案件、のれんの減損
・アナリストの投資判断 ~割安感あるが、懸念の解消を待ちたい
当研究所の予想に基づくPERは19/3期19倍、20/3期16倍。IFRS移行に伴うのれんの非償却などを考慮しても、割安感がある。買収を重ねながら海外展開で同業他社に先行する同社への評価にも変更はない。しかし、不採算案件は収束時期が見極められず、北米拠点も立て直しの目途がたったとは言いがたい。これらの不確実性がある程度解消するまで手掛けにくく、反発力は弱いと見ている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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