住友化学(4005) 来期以降は利益面で増額修正したが、石化製品などの採算は厳しい

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2019/02/06)

・今期は売上収益、利益段階とも業績予想を下方修正
 19/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上収益が2兆4600億円→2兆3700億円(前期比8%増)、コア営業利益2540億円→2380億円(同9%減)へ下方修正する。情報電子化学とエネルギー・機能材料の両部門は偏光フィルムや電池材料を中心に好調に推移しているが、石油化学部門が原料・製品市況の下落と採算悪化、健康・農業関連事業部門が飼料添加物「メチオニン」の市況低迷でともに従来予想を下回り、連結全体で減益幅の拡大が避けられない見通しとなった。続く20/3期以降は、医薬品部門で非定型抗精神病薬「ラツーダ」が当面は高水準の出荷を継続できる見込みとなったため、利益面で上方修正したものの、石化製品などの採算は従来想定よりも悪化すると考える。

・3Q累計のコア営業利益は想定を下回る水準に
 19/3期3Q累計の連結コア営業利益は、前年同期比22%減の1549億円。石油化学部門や健康・農業関連事業部門などが採算悪化と固定費増で落ち込み、当研究所が事前に想定していた1600億円にも届かなかった。

・リスクファクター ~石化製品の市況など

・アナリストの投資判断 ~割高感はないが、大幅な上昇は難しい見込み
 18年に入って急落した株価は、その後も年を通じて低調に推移。19年に入ってやや値を戻しているものの、足元では当研究所の来期予想連結PERで6倍台と、総合化学メーカーの平均並みの水準にある。このため特段の割高感はないが、石化製品の採算などに不透明感が強く、化学メーカーのPERが全般に低下傾向にある点を考慮すると、同社のPERも大幅な上昇は難しそうだ。当面は過去のレンジの下限をやや下回る同7倍程度の評価にとどまり、上値の重い展開が続くと予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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