QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2019/01/30)
・半導体デバイス市況は19年後半の底入れを想定
19/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上収益5150億円→5050億円(前期比20%増)、営業利益510億円→500億円(同15%増)へ小幅下方修正する。半導体市況は18年末から急速に悪化しているが、デジタルソリューション部門は3Qまで好調に推移しており、利益面で予想を増額。一方、足元の合成ゴムの市況などを勘案してエラストマー部門の利益予想を引き下げ、連結全体で小幅減額修正した。前期比では、エラストマー部門が採算悪化で落ち込むものの、ライフサイエンス部門の黒字転換の効果が大きく、増益を達成できよう。20/3期以降も、19年後半には半導体の市況が底入れするとともに、ライフサイエンス部門が一段と成長し、連結全体で着実な業績の伸びが続くと考える。
・エラストマー部門の落ち込みを他部門がカバー
19/3期3Q累計の連結営業利益は、前年同期比2%増の379億円。エラストマー部門が採算悪化で落ち込んだが、ライフサイエンス部門が黒字転換するなど他の部門が好調に推移し、微増益を確保した。
・リスクファクター ~半導体市況の回復の遅れなど
・アナリストの投資判断 ~不透明要因もあるが、業績拡大を追い風に株価は徐々に上昇へ
半導体市場の減速などが嫌気され、18年夏場以降の株価は大きく下落。19年に入って値を戻しつつあるが、18年1月につけた昨年来高値を依然4割近く下回り、当研究所の来期予想連結PERも約10倍と、同社の過去の平均的な水準を下回る。半導体デバイスの市況低迷が続くうえ、合成ゴムの採算などにも不透明感があるが、同社の業績はライフサイエンス部門の拡大で成長に向かう公算が大きい。過去の同社の平均的な水準の下限にあたる同11倍程度の評価は可能であり、株価は徐々に上昇に向かうと考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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