QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2019/01/29)
・今期業績はやや減額も続伸を予想。受注残は高水準
18/11期の連結営業利益は前期比18%増の225億円と過去最高。工具需要が堅調で、高水準の受注を背景に売上高が増加。コストの増加を吸収した。ただ、旺盛な需要に生産が追いつかず、外注費用等が発生。未実現利益の影響等もあり、会社の営業利益計画は下振れた。会社は19/11期の営業利益を同7%増の240億円と計画。企業価値研究所は19/11期の前回予想をやや減額する(営業利益260億円→244億円)。円高やアジアの需要鈍化、生産逼迫等を考慮した。受注残は高水準で、自動車・航空機産業等の受注は底堅いとみており、値上げやM&A効果等も踏まえ、引き続き増収増益を見込む。
・緩やかな業績続伸見込むが20/11期予想は減額
当研究所は20/11期、21/11期と緩やかな業績続伸を予想。自動車・航空機関連を中心とした工具需要の伸長、生産能力増強の効果等を織り込んだ。円高等踏まえ20/11期予想はやや減額。同社の中期目標(20/11期、売上高1500億円)は現状達成がやや厳しい印象。財務面は良好。18/11期配当は創立80周年記念配当が乗り増配に(予定)。19/11期も増配の可能性はあるとみる。
・リスクファクター ~為替、自動車需要、貿易摩擦等
・アナリストの投資判断 ~底堅い株価推移を予想。堅調な業績が下支え
現状の当研究所の19/11期予想に基づくPERは約14倍。製造業や機械セクターの現状の平均並みだが、同社の過去3年平均(約17倍)は下回り、割高感は少ない。ただ、米中貿易摩擦等を受け機械関連株全般のセンチメントが悪化気味な状況は続きそうなため、当面PERの大幅な上昇は期待し難い。一方で業績(EPS)は堅調で、確りした推移が見込まれるため、株価も当面底堅い推移を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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