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富士フイルムHD(4901)長期保有の株主さらに優遇、ネットで発信強化!【株主優待戦略を聞く】

化粧品を優待品として提供、愛用者が増加

左から野村マネージャー、野垣内氏

「弊社の株主様のなかには、株主優待のヘルスケア商品トライアルキットをきっかけに、富士フイルムの化粧品を初めて利用したという方も多くいらっしゃいます。そしてその後気に入っていただき、継続的に利用いただく方が増えています」というのは、経営企画部 コーポレートコミュニケーション室の野垣内(のがいと)真紀氏。富士フイルムホールディングスが株主優待制度を新設したのは2013年3月期。2006年に参入した新事業であった化粧品を株主優待品として多くの株主に提供する効果は大きかった。現在、化粧品やサプリメントを中心とした同社の株主優待はすっかり定着し、株主総会の会場でも、参加された個人株主から「化粧品がとても良いのでずっと使っている」「友達にも勧めている」など声をかけられることがあるという。また、化粧品のコールセンターにも株主から好評の声があり、株主優待の施策の一つである化粧品の割引販売には、毎回多くの注文が寄せられる。

富士フイルムホールディングスの株主数は、2012年3月期には、約70,000人だったが、株主優待導入後の2015年3月期に10万人を突破し、直近の2018年3月期は115,038人となっている 。株主増加の要因の一つとして、株主優待もあげられるが、主な要因は同社の事業そのものの将来性だ。主力事業であった写真フィルムが衰退した後も、果敢に事業構造の転換を図り、新しいビジネスを次々と立ち上げた同社に対する期待は高い。

年2回、人気商品やサービスを提供

富士フイルムホールディングスは、年2回株主優待を実施している。7月には、化粧品、サプリメントなどのヘルスケア商品を、12月にプリントサービスに利用できるクーポン券を送付している。また、ヘルスケア商品の割引販売を合わせて実施しており、多くの株主が利用している。

株主優待の内容は、株主の声を踏まえて段階的に見直しを行っている。株主優待の制度開始当初は、化粧品のトライアルキットと本品を提供していたが、2015年3月の改定時に、化粧品だけでなくサプリメントも選べるようにした。これは、男性の個人株主から「化粧品ではないものをほしい」という声を反映したためだという。また、プリントサービスのクーポン券の提供は、当初500株以上・3年以上保有の株主を対象にしたものだったが、100株以上・1年以上保有の株主を追加し、その対象を拡大した。

そして、2019年3月からは、長期保有の株主をさらに優遇する内容に改定する。1年以上の保有を条件とし、100株以上保有の株主には、従来のトライアルキットをボリュームアップするとともに、ヘルスケア商品本品も合わせて2,000~3,000円相当の商品を提供する。また、従来500株以上・3年以上の保有の株主を対象に、9,000~10,000円相当のヘルスケア商品を合わせて提供していたが、今回新たに300株以上・3年以上の保有の株主に、4,000~5,000円相当の本品提供することにした。また、12月実施分についても、提供するプリントサービスの内容を拡充する。従来提供していたクーポンはフォトブック専用であったが、アルバムを作るほど多くの写真がないという株主の声に応え、写真を壁掛けパネルに仕上げるWALL DECOR(ウォールデコ)や他のサービスも選択できるように改定を行った。

これら株主優待で提供する商品は、株主とその周囲の人たちの話題作りに一役買っているという。ある男性株主は、株主優待の化粧品を奥さんや娘さんへプレゼントし、喜ばれている。また、プリントサービスのクーポン券を子供に送り、孫の日常を写したフォトブックを制作してもらい、送ってもらうなど、株主優待品を通じたコミュニケーションが広がり、富士フイルムの商品の認知拡大に繋がっているという。

個人株主向け説明会を年10回以上

富士フイルムホールディングスは、企業情報の収集にインターネットを活用している50代以下の個人株主とのコミュニケーション強化が課題と考えている。「弊社は、全国で個人株主向け会社説明会を年間10回以上実施していますが、そこでお伝えできる投資家様は限られています。今後インターネットをこれまで以上に活用し、企業情報をより積極的に発信していき、当社への関心を高めて欲しいと考えています」と野垣内氏。また、株主総会における議決権行使率のアップも課題だ。「株主が議決権行使するためには、事業内容や経営方針に対する理解が必要です。弊社では、株主に配当計算書を送付する際、株主通信と株主優待の案内をセットにしています。株主通信で事業内容をお伝えしつつ、株主優待で弊社の商品を知っていただく。そういった循環から、個人株主との信頼関係を構築していきたいと考えています」(野村マネージャー)。

富士フイルムホールディングスは、これからも株主優待を通じて同社の商品やサービスを広く個人株主に伝え、長期的な関係づくりを推し進めることで、同社の経営への理解、支持、将来性への期待を獲得していく考えだ。

株主優待
100株以上ヘルスケア商品優待割引

株主優待品のイメージ


~株主優待の内容 2019年度~
≪基準日:3月31日≫
 [保有年数:制限なし]
  100株以上 当社グループヘルスケア商品優待割引
 [保有年数:1年以上]
  100株以上 当社グループヘルスケアトライアルキットおよびヘルスケア商品(計2,000~3,000円相当)進呈
 
 
 
 [保有年数:3年以上]
  300株以上 当社グループヘルスケア商品(4,000~5,000円相当)進呈
  500株以上 当社グループヘルスケア商品(9,000~10,000円相当)進呈

≪基準日:9月30日≫
 [保有年数:制限なし]
  100株以上 当社グループヘルスケア商品優待割引
 [保有年数:1年以上]
  100株以上 当社グループフォトブック等プリントサービス利用クーポン券(1,000円分)進呈
 [保有年数:3年以上]
  500株以上 当社グループフォトブック等プリントサービス利用クーポン券(4,000円分)進呈

 ※基準日現在、株主名簿上の当初取得日が1年前、または3年前の同日以前の株主
 ※基準日時点の保有株式数
 ※優待割引購入は、申し込みはがき、電話、株主専用ウェブサイトでのみ受け付ける。店頭等では購入できない。
 ※申し込み制。対象商品、申し込み期限等は、対象株主にお知らせする。
 ※初年度(2019年度)のみ、株主名簿上の当初取得日が2018年9月30日以前(新制度公表前)の方にも進呈する。
 ※株主専用ウェブサイトでのみ使用可能。保有年数及び保有株式数により、1,000円分と4,000円分のいずれかのクーポン券を対象株主に送付する。対象サービスや申し込み期限等は対象株主にお知らせする。

【変更時期】
 2019年3月31日現在の株主名簿に記載された株主より適用。

会社プロフィール
写真フィルムで培った技術を核に事業を多角化

写真フィルム事業で培った化学、光学、エレクトロニクスなどさまざまな技術を生かしてヘルスケア、高機能材料などに多角化展開。医療ITシステムや液晶の偏光板保護フィルムなど世界トップシェアの製品を多数抱えている。

事業セグメントは、イメージングソリューション、ヘルスケア&マテリアルズソリューション、ドキュメントソリューションに3区分。イメージングソリューションは、カラーフィルム、デジタルカメラ、写真プリント用カラーペーパーなど。ヘルスケア&マテリアルズソリューションは、ディスプレイ材料、電子材料、医療機器、医薬品、再生医療、化粧品、グラフィックスシステム機材など。ドキュメントソリューションは、オフィス用複写機・複合機、プリンター、消耗品等。

<売上構成>(18/3期連結、外部顧客への売上高): イメージングソリューション16%、ヘルスケア&マテリアルズソリューション(インフォメーションソリューションから改称)41%、ドキュメントソリューション43%。仕向地別売上構成比は、国内41%、米州19%、欧州13%、アジアおよびその他27%。

1934年、大日本セルロイド(現:ダイセル化学工業)の写真フィルム部の事業一切を分離継承して富士写真フイルムとして設立。62年、英国ランクゼロックス社との合弁により富士ゼロックスを設立。2006年、持株会社である富士フイルムホールディングスが二大事業会社の富士フイルムと富士ゼロックスを傘下に束ねる持ち株会社制に移行。

優待生活

(提供:QUICK企業価値研究所)

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