QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2018/12/13)
・シャイアー社買収を両社株主が承認
18年12月5日、武田によるシャイアー社買収に関して両社の臨時株主総会で承認。早ければ2019年1月8日に買収が完了する予定。実績をベースに算出(単純合算)した統合後の売上収益は約2倍、EBITDAは約3倍に高まる。さらに課題である開発パイプラインの強化や重複する部門・拠点等の最適化によるコストシナジーなども期待される。
・不動産売却の増加等から予想を修正
企業価値研究所予想の19/3期の連結営業利益を2160億円→3000億円(前期比24%増)と修正。多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」の売上収益予想を引き上げたほか、不動産売却益の増加等を織り込み増額。従前は18/3期は株式売却益1063億円を計上していた反動で営業減益を予想していたが、増益予想に見直した。なお、シャイアー社買収の影響は不確定要因が多く予想には織り込んでいない。
・リスクファクター ~新薬開発や訴訟など
・アナリストの投資判断 ~市場は買収に厳しい評価
株価は1月に08年1月以来の高値6693円をつけた後は総じて軟調に推移。株式相場全般の調整もあり12月12日に年初来安値となる3662円をつけた。シャイアー社買収による財務体質の悪化や株式数の増加等が敬遠されているようだ。現時点では買収の影響を見極めることが困難であるため、合理的な投資判断は難しい。しかし、会社側は買収完了後も配当方針は維持するとしており、配当利回りの高さ(足元4.8%。19/3期会社計画の1株当たり年間配当は180円)から下値は限られよう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。