QUICK企業価値研究所アナリスト 堀内敏成(2018/12/10)
・通期の当研究所純利益予想5000億円を据え置き
19/3期上期の連結業績は、純利益で前年同期比6.4%増の2580億円となり、前年同期に続き、上期ベースでの最高益を更新した。企業価値研究所では10月1日の会社側の業績見通しの上方修正を踏まえて19/3期通期の純利益予想を4800億円から会社側の修正見通しと同額の5000億円(前期比25%増)に増額しており(18年10月5日付レポート)、今回はこれを据え置くこととする。
・20/3期、21/3期の純利益予想をわずかながら増額
当研究所では、20/3期および21/3期の純利益予想をわずかながら増額する(業績データ参照)。世界景気や商流の減速などが懸念されるが、当研究所では同社のきめ細かい収益向上策の寄与もあり、安定的な増益基調が続くとみている。財務面の強化も着実に進んでおり、新規投融資を拡大する余地は大きい。中国CITICなどとの協業の進展、情報・金融分野などでの大型提携があれば、一段の収益拡大に寄与しよう。
・リスクファクター ~貿易摩擦問題、中国経済の動向等
・アナリストの投資判断 ~堅調な連結業績や積極的な株主還元を評価し、株価は上昇へ
株価は堅調な業績動向を背景に上場来高値の更新が続き、18年10月には会社側の業績予想上方修正を受けて2302.5円まで買われた。直近は2000円前後での推移。当研究所では今回、同社の来20/3期以降の連結業績予想を小幅ながら増額。株式相場では米中貿易摩擦の深刻化、世界経済の減速への警戒感が強く、株価は目先的に上値の重い展開を見込むが、比較的高い配当利回りが株価の下値を支えるとともに、中国が強化しつつある景気対策の効果の顕在化、同社の堅調な連結業績や積極的な株主還元への評価の高まりなどから、株価は早晩上昇に向かうと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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