東レ(3402) 想定外の費用発生で今期の営業利益予想を引き下げたが、来期以降は回復へ

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2018/11/22)

・今期は小幅営業増益を見込むが、従来予想を下回る
 19/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高2兆4300億円→2兆4400億円(前期比11%増)、営業利益1660億円→1610億円(同3%増)へ修正する。売上高は、繊維部門の好調やテンカーテ社の買収でほぼ従来予想通りの伸びとなる見込み。利益面では、買収に伴う費用増と原料高による採算悪化で従来から苦戦を見込んでいた炭素繊維複合材料部門が、新設備の立ち上げに伴う想定外の費用発生により、減益幅を拡大。繊維部門などは伸長するものの、連結全体でも営業利益は従来予想を下回る見通しだ。続く20/3期以降は、数量増と合理化の効果による業績の拡大を予想する。新たなM&Aの実現にも期待したい。

・上期の営業利益はほぼ横ばいに
 19/3期上期の連結営業利益は、前年同期比微減の777億円となった。炭素繊維複合材料部門が原料高などで落ち込んだほか、ライフサイエンス部門なども苦戦。繊維部門は原料高を数量増で吸収して好調に推移したが、連結全体で営業利益はほぼ前年同期並みとなった。

・リスクファクター ~炭素繊維複合材料の採算など

・アナリストの投資判断 ~来期以降の業績拡大を織り込み、株価は回復へ
 炭素繊維複合材料部門の業績低迷などが嫌気され、株価は17年秋以降下落してきたが、18年10月後半に底打ちし、その後は徐々に値を戻しつつある。足元でも、来期の当研究所予想連結PERで約13倍と、同社の過去の平均的な水準を下回る。原料高による採算悪化リスクが残るうえ、化学・繊維業界のPERは総じて低下傾向にあるが、来期以降の業績拡大を考慮すると、同15倍程度の評価は可能であり、株価は回復に向かうと考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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