信越化学工業(4063) シリコンウエハーの採算悪化リスクは小さく、業績拡大が続く見込み

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2018/10/29)

・業績予想を再度上方修正。今期は2割営業増益に
 19/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高1兆5700億円→1兆5900億円(前期比10%増)、営業利益3850億円→4100億円(同22%増)へ引き上げる。今期は期初の段階から、主要製品の販売数量増と合理化などによる増収、増益を想定。1Q決算後に、半導体シリコン、塩ビ・化成品をはじめとした各部門の好調などを織り込んで上方修正したが、足元の業績は想定以上に好調なため、これを一段と引き上げる。翌20/3期以降も、主要各門がいずれも業績を伸ばし、連結全体で増収、増益基調が続く見通しだ。足元で半導体市況が減速する中、シリコンウエハーの採算悪化懸念が高まっているが、当研究所ではそのリスクは小さいとみている。

・上期は全部門が増収、増益に。事前の想定も上回る
 19/3期上期の連結業績は、売上高が前年同期比14%増の7917億円、営業利益が同34%増の2092億円。半導体シリコンをはじめとした全部門が増収、増益となり、当研究所が事前に想定していた営業利益1950億円を上回る好決算だった。

・リスクファクター ~半導体シリコンの需給など

・アナリストの投資判断 ~市場全体が落ち着けば、株価は上昇に向かう見込み
 半導体シリコン部門を中心に、業績は順調な拡大が続く見込み。一方で、シリコンウエハーの需給悪化懸念などから株価は18年1月につけた上場来高値から3割以上下落。足元では、来期の当研究所予想連結PERで約11倍と、同社の過去の水準と比較して割安感がある。株式市場全体が急落しているため、短期的な回復は難しいが、市場全体が落ち着きを取り戻せば、業績拡大を確認しつつ、株価も上昇に向かおう。ウエハーの需給悪化懸念を勘案しても、同社の過去の平均的なレンジの下限となる同13倍程度の評価は可能と考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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