QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2018/10/26)
・今期は銀行開業費もあり営業13%減益へ、夕夜間強化進めるも既存店客数の苦戦続く
今期は次世代システム構築、加盟店支援強化、看板替えを含む積極出店に係るコストが膨らむほか、ローソン銀行開業費も加わり、企業価値研究所は連結営業利益を前期比13%減の575億円と予想。既存店客数は9月まで15カ月連続の前年割れと、同社の苦戦が際立つ。夕夜間の品揃え強化に向け、6月にサプライチェーンを刷新したが、朝・昼の落ち込みで効果が打ち消された格好だ。
・本格的な利益回復には本業の競争力向上が不可欠
ここ数年の相次ぐ加盟店支援施策でコストが嵩むが、十分な成果は出ておらず、単体営業利益は14/2期614億円から今期430億円に落ち込む見込み。来期以降は厳選出店による単体利益の底打ちに加え、成城石井、中国、ローソン銀行を軸とする子会社利益拡大もあり、連結営業利益は来期605億円、21/2期635億円を予想。ただし、会社22/2期目標1000億円以上には程遠く、過去最高(17/2期738億円)更新時期すら不透明。本格回復には本業の競争力向上が不可欠で、日販拡大に向けた商品政策、徹底力などを見極めたい。年間配当の今期会社計画は255円/株だが、健全性の観点から来期以降は減配リスクも。
・リスクファクター ~加盟店支援費増など
・アナリストの投資判断 ~減配リスクを考慮すれば株価は妥当水準だが、既存店動向には要注意
来期PER(当研究所予想)は小売業主要銘柄平均と同水準。配当利回り(今期会社計画)は3.7%と、三菱商事による連結子会社化発表(16年9月)以降の平均3.4%を上回るが、来期以降の減配リスクを考慮すれば、妥当水準と言えよう。ただし、今後も夕夜間強化などの効果が現れず、既存店客数の苦戦が続くようだと、夏場同様、下値を模索する展開も考えられるため、既存店の月次動向を注視したい。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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