QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2018/10/16)
・今期会社利益計画は未達の懸念
18/11期3Q累計業績は前年同期比8%増収、営業利益は同3%増の122億円。油圧機器やベアリングなど部品事業が増収を牽引。強化するロボットは伸び悩んだが、全体で増収となり、材料価格上昇などの各種コストの増加を吸収した。ただ、会社計画に対してはコストが増加気味となり、営業利益の進捗は低めだった。企業価値研究所は3Qを踏まえ、18/11期の業績予想を減額。営業利益は会社計画と同額の180億円から170億円に引き下げる。進捗の低さ、材料コスト等の想定以上の増加、値上げ効果が現状小さいことなどを勘案。4Qの為替想定は円安に見直したが、今期会社利益計画の達成は厳しいとみる。
・来期、再来期の当研究所の業績予想もやや減額
当研究所の19/11期、20/11期予想もやや減額。為替想定を円安に見直したが、米中貿易摩擦の影響によるロボットの需要減速等を想定した。当面ロボットの力強い成長は展望し難くなり、中計の目標達成も厳しくなった印象。油圧機器の好調持続、軸受・工具の底堅い成長、値上げ効果等で業績伸長が続くという見方は維持する。
・リスクファクター ~為替、原材料、EV化、貿易摩擦
・アナリストの投資判断 ~当面PERの上昇、力強い株価回復は展望し難い
株価は昨年後半から今年初まで上伸した後は総じて軟調。現状の当研究所の19/11期予想PERは約11倍。製造業や機械セクターの平均、同社のここ数年の平均を下回る。ただ、米中貿易摩擦問題で中国の設備投資が減速し、同社もロボットの減速など影響を受ける懸念があり、会社の今期利益計画および中計には未達の懸念が燻っている。このため、米中間での対話進展など外部環境の大幅改善がない限り、当面はPERが上昇し、株価が力強い回復に向かう展開は期待し難い。底堅い業績は株価の下支え要因となろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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