QUICK企業価値研究所アナリスト 堀内敏成(2018/10/05)
・会社側は19/3期の純利益見通しを5000億円に増額
同社は10月1日、19/3期通期の連結純利益見通しおよび1株当たり配当予想の上方修正を発表。純利益は期初見通しの4500億円を5000億円(前期比25%増)に引き上げた。市況の改善による資源分野、海外パルプ関連事業などの伸長が主因。これらを踏まえ、期初の段階で見込んでいた損失バッファー(経営環境の想定外の変動、資産入替え等に伴う損失計上などへの備え)300億円程度を解消した。また、19/3期の1株当たり年間配当金の予想を74円(うち、期末37円)から83円(同46円)に増額。
・当研究所の連結純利益予想を増額修正
企業価値研究所では19/3期通期の連結純利益予想を、会社修正計画と同様に引き上げ、前回予想の4800億円を5000億円(前期比25%増)とする。会社側の上期決算(11月初旬発表予定)の内容などを精査した後、改めて見直したい。続く20/3期および21/3期の純利益予想も上方修正した(業績データ参照)。
・リスクファクター ~貿易摩擦問題、中国経済の動向等
・アナリストの投資判断 ~着実な収益成長、積極的な株主還元を背景に、株価は堅調に推移する見通し
株価は米国・中国間の貿易摩擦の拡大懸念などを背景に反落し、8月には年初来安値1854.0円をつけた。9月中旬以降、株式相場全体の回復などを背景に持ち直しに転じ、今回の会社側の業績予想の上方修正を受けて上場来高値を更新。2302.5円をつけた。米国・中国間の貿易摩擦拡大に伴う世界景気や商流の減速、同社の事業に関連が深い中国の景気の減速傾向は引き続き懸念材料だが、着実な収益成長、積極的な株主還元を背景に、株価は堅調に推移する見通し。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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