QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2018/08/30)
・今期はマリンと産業用機械・ロボットが牽引役に
18/12期通期の連結営業利益見通しについて会社側は、期初計画の1500億円(前期比横ばい)を据え置いた。一方、企業価値研究所では、営業利益予想を1620億円→1570億円(同5%増)とやや減額する。下期以降の為替レートの前提を、1ドル=107円→110円と円安方向に見直したが、天候不順による欧州向け二輪車の生産調整などを織り込んだ。ただ、大型船外機の能力増強を実施したマリン、需要が旺盛な産業用機械・ロボットの伸長から、営業利益で2期連続の過去最高を更新する予想に変更はない。為替レートの前提を会社想定(通期平均で1ドル=105円)より円安水準に設定したほか、産業用機械・ロボットを強めに見込み、引き続き会社計画を上回る予想とした。
・二輪車とマリンを軸に来期以降も利益の拡大を予想
19/12期以降の営業利益予想もやや減額するが、二輪車とマリンを軸に拡大局面が続くとの見方を継続。二輪車では、生産能力が過剰な先進国向けで苦戦が続くとみるが、インド、フィリピンなどの新興国市場拡大とプラットフォームの共通化が寄与する見通し。マリンも、船外機の大型化や船外機の周辺機器の強化から底堅く推移するとみている。
・リスクファクター ~為替や欧米の景気動向など
・アナリストの投資判断 ~利益拡大局面が続くと予想、上値余地は大きいとみる
直近の株価に基づく19/12期の当研究所予想PERは9倍。同社の過去60カ月の平均PER12倍との比較では、割安感がある。今後は、先進国二輪車の採算改善が進んでいないことは懸念材料だが、新興国二輪車やマリンを軸とする利益拡大局面が続くと予想、株価の上値余地も大きいと考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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