QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2018/08/29)
・一方で国内スマホゲームは競争激化から急失速
今期1Qは競争激化による国内スマホゲーム急失速に失望する一方、HDゲームでは流通構造変化による追い風が益々強くなった印象。1QのDL販売比率は75%まで上昇。デジタル流通への構造変化はHDゲームの収益性改善、長期にわたる商機拡大につながるとともに、新作発売の有無に左右されない安定的な収益基盤が構築されつつある。ただし、国内ではスマホゲーム失速による体制見直しでHDゲームへの開発シフトが予想され、新作発売スケジュールに極端な空白が生じることはなかろう。海外開発拠点でも体制の強化・拡充が進行中。
・来期連結営業利益480億円へ、小幅減額にとどめる
企業価値研究所はスマホゲーム等の見通しを大きく引き下げたが、流通構造の変化加速でHDゲームの成長確度が一段と高まったと判断。連結営業利益予想は小幅減額にとどめ、今期375億円(前期比2%減)、来期480億円とする。HDゲームでは今期発売予定の『Tomb Raider』、『キングダム ハーツ』、『JUST CAUSE』各最新作に続き、来期は『FF7リメイク』、『Avengers』関連作の発売を想定。来期は開発費の償却負担がない今期大型3作の追加販売がDL中心に膨らむうえ、MMOでの拡張ディスク投入も利益を押し上げる見通し。
・リスクファクター ~開発費の回収リスク、円高など
・アナリストの投資判断 ~HDゲームへの期待がスマホゲームへの失望を上回り株価は年初来高値圏へ
来期PERは17倍(当研究所予想)。株価下落により直近3年の調整PER20倍と比べ割安感が出てきた。有力IPや内外の充実した開発体制が強みの同社HDゲームにとって、デジタル流通への構造変化の恩恵は大きく、スマホゲームへの失望感を打ち消し、年初来高値圏への株価上昇を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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