QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2018/08/21)
・今期の営業利益を減額したが、来期以降は小幅増額
企業価値研究所の19/3期の連結予想営業利益は、820億円→600億円(前期比26%減)へ引き下げた。1Qに証券訴訟の和解金や中国子会社の訴訟の引当金を計上したことによる。ただし、主力の医療の進捗は順調であり、来期以降は小幅増額。実質ベースでは営業増益のトレンドが続くとみている。
・リスクの大部分は処理
同社は過去の損失先送りに係る証券訴訟の損害賠償請求を受け、18/3期末時点の訴額の合計は283億円となっていた。この1Qに信託銀行6行と和解したことにより残りの訴額は4億円となった。これによりリスクの大部分が処理された。ただ、証券訴訟以外では米国における十二指腸内視鏡の製造物責任に関する民事訴訟がある。
・多額の損失計上で19/3期1Qは連結営業赤字
19/3期1Qの連結営業損益は116億円の損失(前年同期は127億円の利益)となった。主力の医療の利益は2桁増だが、和解金など多額の損失で連結全体では赤字に。
・リスクファクター ~為替相場の変動、医療における当局の規制、製造物責任、映像における競争激化など
・アナリストの投資判断 ~当面の株価は現値付近を想定。損失計上は、リスクの処理という面でニュートラル
当研究所では、当面の株価は現値付近で推移するものとみている。1Q決算発表前後の値動きをみると、多額の損失を計上したことについては、リスクの処理が進んだという面もあることから相殺されている。なお、最近の決算説明会などでの質疑応答のやり取りからみて、製品サイクルの末期となっている消化器内視鏡の本格的な新製品への期待度が高まっている模様。会社側では当面発表する予定はないとしていることから、慎重にみていく必要があろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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