QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2018/08/16)
・主要事業堅調で最高益更新続く見込み
企業価値研究所は今19/3期の業績予想を据え置く。前期比で売上高は2%増、営業利益は6%増の1兆160億円の予想。スタートの1Qは前年同期比で2%増収、3%営業増益と順調だった。来20/3期の営業利益も据え置き、前期比3%増の1兆420億円の予想。最高益更新が続く見込み。主力の移動通信事業は低料金通信事業者の攻勢はあるが、新料金プランが顧客流出を抑制している。ネット通販などのコマース事業の流通総額も順調に増加している。法人向け事業もソリューション分野を中心に好調。海外事業もデータセンター事業やミャンマーでの移動通信事業が好調で利益水準が高まりそうだ。
・今期が最終期の中期経営目標はほぼ達成か
今期が最終期となる3年間の中期経営計画では年率7%の営業増益、累計5000億円のM&A(合併、買収)、au経済圏での流通総額2兆円超、配当性向35%超などの目標を掲げた。当研究所では本目標はほぼ達成するとみている。8月に入り他社との提携や出資を複数公表し、業容拡大への動きを加速している。
・リスクファクター ~料金値下げ、解約率上昇
・アナリストの投資判断 ~内需物色に一巡感あり現値の高値水準での推移見込む
楽天による移動通信事業への本格参入が明らかになった昨年12月以降、株価は下落した。ただ、春以降の内需銘柄物色の流れや、積極的な株主還元の姿勢が評価されて、3月以降は上昇に転じ、足元も高値水準を維持している。当研究所は当面の株価について「現値の高値水準で推移する」とみている。内需銘柄物色の動きに一巡感がでてきたことを考慮した。一方、株価指標は過去平均に比べて幾分割安なため、下値リスクは限定的とみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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