QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2018/08/14)
・車両部門は「RAV4」増産に伴う先行費用が発生へ
19/3期通期の連結営業利益計画について会社側は、1Qはおおむね想定線で推移したとして、期初の1350億円(前期比8%減)を据え置いた。
企業価値研究所も、従来の営業利益予想1440億円(同2%減)を変更しない。2Q以降の為替レートの前提を1ドル=107円→110円と円安方向に見直し売上高は増額したが、「RAV4」増産に伴う生産準備費用など先行費用が従来想定より膨らむと見込んだ。為替レートの前提を会社想定(通期で1ドル=105円)より円安水準に設定したことに加え、産業車両事業の量産効果を強めに見込み、引き続き会社計画を上回る予想とした。
・来期に営業利益で過去最高を更新する予想を継続
20/3期以降の営業利益予想も据え置く。20/3期に過去最高を更新するとの見方を継続。自動車事業では、「RAV4」の生産準備費用がなくなると見込んだ車両部門の損益改善に加え、カーエアコン用コンプレッサーの販売拡大を予想する。トヨタ(7203)以外への拡販努力や、電動車の普及拡大が追い風となる見通し。産業車両事業では、買収した物流ソリューションを手がける2社とのシナジー効果発現が、プラスに働くと考えている。
・リスクファクター ~世界景気やトヨタの生産動向
・アナリストの投資判断 ~中期的には自動車事業の採算改善等で株価復調を予想
直近の株価に基づく19/3期の当研究所予想PERは12倍。同社の過去60カ月の平均PERとおおむね同水準にあり割安感はなく、当面の株価の上値余地は限定的とみている。ただ中期的には、自動車事業の採算改善、産業車両事業における買収した2社とのシナジー効果創出が確認されるに従い、株価も緩やかに復調すると考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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