QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2018/08/03)
・会社計画より強めの今期業績予想を継続
19/3期1Qは前年同期比8%増収、営業利益が同16%増の210億円。国内外で電動工具、園芸用機器などの販売が好調に推移。販売増加の効果で材料費の上昇などを吸収した。19/3期通期の会社計画(売上収益4900億円、営業利益785億円)の変更はない。企業価値研究所は会社計画より強めの増収増益を見込む今期予想を据え置く。好調な販売の出足、良好な利益進捗などを考慮した。販売が強い国内では、直近の猛暑でファンジャケットなどの売れ行きが好調の模様。販売腰折れのリスクは低いとみる。中国から米国に製品を輸出するが、米中貿易摩擦の影響も今期は軽微にとどまる見通し。リチウムイオンバッテリなどの材料費の上昇は引き続き懸念されるが、販売増加や値上げ効果で吸収可能とみる。
・園芸用機器の売上成長等で業績続伸を予想
当研究所は20/3期、21/3期の増収増益を見込む予想も据え置く。リチウムイオンバッテリ製品群の伸長、強化する園芸用機器の売上成長等を見込む。財務健全性は高水準を維持。配当は増加基調が続こう。
・リスクファクター ~為替、貿易摩擦、原材料など
・アナリストの投資判断 ~PERの上昇は期待し難いが堅調な業績は株価の下支えに
株価は今年5月に過去最高値を付けた後は調整。現状の当研究所の19/3期予想に基づくPERは24倍程度。製造業や機械セクターの平均に比べ高いが、同社のここ数年の平均に近く、割高感は少ないといえる。しかし、現状米中貿易摩擦問題で機械関連株のセンチメントは悪化気味で、同社も中国から米国への製品輸出があり、影響を受けるという懸念がある。このため当面PERが大きく高まる展開は期待し難い。ただ、堅調な推移が続く見通しの業績は株価の下支え要因となりそう。相場環境の改善時等には一定の上値を試す余地があるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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