2017/07/22 10:47:15

インドネシア、流動性ショックに備える銀行業界

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アジア特Q便

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インドネシア、流動性ショックに備える銀行業界 (2016/07/11)

  • 1000兆ルピア相当の資金流入観測…租税特赦法案成立で
  • 大口顧客への規制、銀行に影響波及
  • 国債と銀行預金逆ザヤ…銀行業界の懸念強く
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QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※この記事は2016年6月17日にQUICK端末で配信した記事です。

1000兆ルピア相当の資金流入観測…租税特赦法案成立で

銀行業界の課題である流動性管理に対し、インドネシアの銀行は現在、今後起こり得る流動性ショックに備え、第2線支払準備金(secondary reserve)を可能な限り積み増している。年初からインドネシア経済の成長が予想を下回る状況を想定し、こうした動きによって国内銀行は今年、増益を維持することができるかもしれない。
また、タックス・アムネスティ(租税特赦)法案の国会審議の長期化で国内の銀行幹部らは代替案が必要とみているようだ。インドネシア政府は、同法案が成立した場合、国内金融システムに1000兆ルピア相当の資金が流入し、結果的に市中へ流動性が供給されると見込んでいる。

インドネシア中央銀行の最新データによると、国内の商業銀行120行の中銀債(SBI)と国債の保有額は4月末時点で808兆ルピア(610億米ドル)となっており、前年同月の713兆ルピアから13%増加している。
資産規模で国内最大手のバンク・マンディリ(コード@BMRI/JK)のカルティカ・ウィルジョアトモジョ頭取は、「第2線支払準備金の増強を進める傾向は、まさに銀行の防衛措置だ。インドネシアの銀行は昨年、流動性がひっ迫した際の対応に苦戦した。このため、再び流動性ショックが発生すると予想される中、今回は十分な資本バッファーを確実に用意したいと考えている」と述べている 。

バンク・マンディリ(コードBMRIJK)

大口顧客への規制、銀行に影響波及

経済成長の回復の兆しが現れるのを待つインドネシア企業は、支出を今年中盤以降に遅らせているため、国内商業銀行120行の未実行貸出残高は現時点で総額1236兆ルピア(930億米ドル)に達している。エコノミストらはまた、政府による大規模インフラ整備事業への支出がまだ完全に実現していないことも、融資需要をさらに鈍化させていると指摘している。
カリティカ頭取は、銀行は十分な準備金を用意し、こうした企業が事業を始動した場合を計算に入れておく必要があるとの見方を示している。 ただ、地方自治体や年金基金といった大口顧客は、今年からインドネシア政府が導入した新規制(資産のうち一定額を国債で保有することを義務付ける)の対象になっているため、金融機関にとって預貯金を集めることが難しくなっている。個人顧客もまた、国債の利回りの高さに引かれているようだ。国債はリスクのない資産であり、所有者には所得税の減額制度も適用されている。

国債と銀行預金の逆ザヤ…銀行業界の懸念強く

資産規模で国内3位のバンク・セントラル・アジア(コード@BBCA/JK)のヤフヤ・セティアアドマジャ頭取は、「政府は銀行に対し、貸し出し金利を引き下げるよう迫る一方で、最新の個人向け国債利率を7.5%に設定している。これに対して、銀行の預金金利は5.25%だ。どうやって競り合えというのか」と述べている。

当座預金、普通預金、定期預金などの第三者資金(残高)の4月の伸び率はわずか6%にとどまり、融資の伸び率(7%)を下回った。今年に入って、融資の伸び率は商業分野の運転資金向け融資需要の鈍化を受け、1桁台に落ち込んでいる。インドネシア政府は今年、税収不足により拡大する財政赤字を埋めるため、58兆ルピア相当の国債を追加発行する方針を示していることから、銀行と政府との資金調達競争が激化することはほぼ確実だ。

資金調達圧力がインドネシアの銀行の利益を侵食し、(商業)銀行全体の今年1~3月期の純利益は28兆9000億ルピアと、前年同期の29兆6000億ルピアから2.2%減少した。財務省のロバート・パクパハン資金調達・リスク管理局長は、こうした懸念を緩和しようと努めている。同局長は「政府が吸収している資金はすべて国内の資金だ。このため、政府が集めた資金を速やかにインフラ事業などに支出すれば、資金は(国内の)銀行システムに還流するはずだ。」と分析している。【翻訳・編集:NNA】

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