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中国、全人代が示した安定政策 元相場維持、過剰供給など課題に

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アジア特Q便

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中国、全人代が示した安定政策 元相場維持、過剰供給など課題に (2016/03/23)

  • 全人代、閉幕…当面は市場安定を優先か
  • 市場の元安観測は後退
  • 労働生産性低い企業は延命…政治的思惑が優先
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QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします(※本記事は2016年3月17日にQUICK端末で配信された記事です)

全人代、閉幕…当面は市場安定を優先か

中国政府は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当) と全国政治協商会議(政協会、国政助言機関の会議) を開催し、16日に閉幕した。例年通り、今年の開催期間中も今後の政策の大きな方向性が浮かび上がった。中国は開催前に突如、銀行の預金準備率を0.5%引き下げ、景気下支えに向け財政支出は可能だと表明。経済改革と市場安定のばさみの中で後者を選択したようだ。今後も引き続き、景気対策金融緩和が打ち出されることになるだろう。

中国政府が昨年8月に人民元の為替レート改革を行った後、元相場は次第に軟調となった。元安が輸出を支えるとの期待があったが、実際には元安は中国の輸出改善に寄与しなかった。今年2月の輸出は前年同月比で約2割減少し、さらには16カ月連続でマイナスとなった。 元安が新興国市場の通貨切り下げ競争を誘発し、通貨安の効果が相殺されてしまい、輸出が回復しなかった。元安が輸出改善につながらないと、元に対する市場の信用が一段と揺らぎ、中国国内の株式相場の下げ要因となった。このような事態となり、経済改革を遅らせてでも市場安定を優先しようとなったのだ。

市場の元安観測は後退

おりしも、中国の李克強首相が全人代と政協会の開催前にジェイコブ・ルー米財務長官と会見し、元に大きな下落圧力がないことを改めて強調。中国は景気支援に一層注力すると再度表明した。この発言は市場への安定維持に関する強いメッセージである。元の大幅切り下げに恐れず、安心して中国へ投資できるということを投資家に表明。中国の資金流出の圧力を和らげる効果がある。また、中国人民銀行(中央銀行)や商業銀行は元相場の安定維持に向けて市場介入を続けており、元安が持続するという市場の見方を変えようとしている。実際のところ、昨年半ばの元切り下げ後に中国政府が直面している最大の難題は、元安継続の観測が市場に広がり、中国の資金流出圧力が大きく働いたということである。このため、中国は安定維持に取り組むに当たって、まず元の為替レート安定を重視している。そして、足元では元の下落ピッチが減速しており、元安継続に対する市場の観測が後退しつつある。

人民元円

中国政府は元相場を安定させ、資金の域外流出圧力を緩和させる以外にも、金融政策財政政策でその他の対策を打ち出している。人民銀の周小川総裁は、金融政策を緩和方向に傾けることができると表明。預金準備率を連続して引き下げた後も引き続き引き下げる可能性があり、追加利下げも可能だとした。一方、中国の楼継偉・財政相は実体経済を支えるために中国の財政赤字をさらに拡大させる余地があると述べた。中国の重要な財政責任者3名が期せずして異口同音に経済の安定維持について言及したことから、中国は昨年に定めた経済構造改革に注力して供給側の改革を行うという大きな政策の方向性を既に微調整したのだということが分かる。もしくは、構造改革をひとまず棚上げして安定維持をより重要な位置に据えたと言えるかもしれない。

労働生産性低い企業は延命…政治的思惑が優先

中国政府は昨年、供給側の改革に本格的に取り組むと表明し、過剰生産能力の淘汰と在庫削減を行うとした。生産能力が過剰で生産効率が低い企業は銀行から融資を受けることが難しくなり、倒産の恐れがあった。しかし、この場合、必然的に大量の企業が淘汰されることで大量の労働者が失業する。中国政府は景気減速と株式相場の低迷に直面する中、現実を受け入れて政策の布陣を改め、安定維持を優先せざるをえなくなったのだ。このため、生産効率の低い企業はかろうじて生き延びる望みが出てきた。とは言え、企業の低生産効率は長きに渡る難題。効果的に解決されるのは一体いつになるのだろうか。

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