2017/03/24 14:05:11

音楽業界に春到来、注目を集めるワケとは?

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音楽業界に春到来、注目を集めるワケとは? (2016/03/10)

  • 収益の柱は「CD」から「ライブ」にシフトしている
  • 成長は持続するのか…EDMが音楽業界に与える衝撃
  • EDM関連銘柄となりそうなのは?
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音楽業界といえば「CDが売れない」「若者の音楽離れ」など、ネガティブで将来性が無いと思っている人が多いでしょう。ところが、ここ近年は右肩上がりで売上を伸ばしており、密かに注目を集めています。音楽業界に何が起こっているのか、その将来ついて各種データを紐解きながら解説します。

「CD」から「ライブ」へ

CDが売れない」というのは間違いありません。CDの売上は年々減少傾向にあり、2001年頃と比べると現在は半分以下にまで落ち込みました。音楽ダウンロード件数は緩やかに増加していますが、CDの落ち込みをカバーするほどには至っていません。音楽コンテンツ自体が売上を落としていると言えます。

CDが売れない一方で、フェスやコンサートなどのライブ市場が急成長を遂げています。下記グラフの通りライブ市場の売上は年々増加しており、2013年にはCD市場を追い抜きました。「音楽=CDを買う」時代は過去のものとなり、代わって「音楽=ライブを体験する」時代が到来したことを意味します。

レコード生産とライブ市場規模

この動向は業界全体の売上にも大きな影響を与えています。例として、音楽プロダクション大手のエイベックスとアミューズの売上推移を見てみましょう。

プロダクション大手2社の売上高とライブ事業の割合

2社ともに2011年頃から右肩上がりで売上を伸ばしています。それに伴い売上全体に対するライブ事業の割合も大きく増加しているのが分かります。収益の柱をライブ事業にシフトした事で売上を伸ばすことが出来たといえます。

この2社の直近5年の株価推移を見てみましょう。ともに足元の株価軟調ですが、アミューズは底堅く、エイベックスは伸び悩みという動きが見えます。

アミューズは、ライブ事業を含むアーティストマネジメント事業が2015年3月期に増収増益、さらに同事業の好調を受けて昨年10月に2016年3月期の業績予想上方修正していることが支えとなっています。一方、エイベックスのマネジメント/ライブ事業は大型会場でのライブ公演数が減ったことから今期は減益を予想しています。

エイベックスの株価の伸び悩みの背景には、一部タイトルの発売延期による業績圧迫や映像事業の先行き懸念の影響もありますが、2社の株価チャートには、ライブ事業への期待感が表れていると捉えることもできそうです。

2016年、EDMがやって来る

成長著しいライブ市場ですが、その勢いは止まるところを知りません。音楽業界は流行に左右されやすいため断言はできませんが、2016年に関しても全体の見通しは明るいと言えます。その理由は、日本でのEDMブームがライブ人気を更に加速させると予想されるからです。

EDMとは「Electronic Dance Music」の略で、欧米で大流行している音楽ジャンルです。簡単に言えばシンセサイザーなどの電子音を駆使したダンスミュージックの事で、1970、80年代に流行したディスコやテクノミュージックなどをルーツに持ちます。電子音のダンスミュージックと聞くとユーロビートやトランスなどを思い浮かべる人も多いかと思いますが、電子音のみで構成されたそれらジャンルとは異なり、カントリーやロック、ヒップホップなどの音色や要素を積極的に取り入れた全く新しい音楽ジャンルです。

2006年頃から音楽ジャンルとして定着したのち流行が加速し、ロックやR&Bなどを押しのけ一気にメジャーなジャンルへと駆け上がりました。その成長スピードは著しく、2011年頃に40億ドルだった市場規模は、いまや70億ドルまで増加しています。

全世界のEDM市場規模

日本での知名度はまだまだのEDMですが、今年は本格的にライブ市場を賑わすとして期待されています。世界三大EDMフェスの一つである「EDC」が日本で初開催するためです。「EDC」は全世界で100万人を動員するモンスター級のフェスで、花火やレーザーなどを駆使する派手な演出で人気を集めています。日本で開催となれば国内外問わず相当なEDMファンが押し寄せることが見込まれます。また、開催2年目で4万人から9万人と動員倍増に成功した「ULTLA JAPAN」も3年連続での開催が決定しています。これらEDMフェスがライブ市場のさらなる拡大を後押しすることでしょう。

(※2016年7月25日追記:2016年のEDC日本開催は見送りとなりました)

EDMは栄光への架け橋?

黒船として期待されているEDMですが、将来に渡り日本で定着するかは未知数です。なぜならば、シーンをけん引する日本人DJが不在だからです。EDMの根幹はクラブミュージックであり、フロア全体をコントロールするDJの存在が不可欠です。欧米でのEDMブームは相次ぐカリスマDJの登場により達成しましたが、日本には未だブームの先駆けとなるようなDJが存在しません。EDMフェスでは海外から人気DJが多数来日して盛り上げますが、日本の音楽文化に根付くためには日本人DJの台頭が絶対条件となるでしょう。

結論として、音楽は「買うモノ」から「体験するモノ」にシフトしたことで、冬の時代を乗り越えた音楽業界に春の兆しが訪れています。しかし、今後も成長を維持するためには、業界の更なる頑張りが不可欠です。

最後に、音楽業界に関連する銘柄をいくつか紹介します。まずはライブ音響設営の大手ヒビノ、sekai no owari やONE OK ROCKなど若手ミュージシャンを多く抱えるアミューズ、日本のダンスミュージック界の大御所エイベックス、EDCの主催でありDJ育成を表明しているGMOインターネットです。これら銘柄については、音楽業界の動向をいち早くチェックすることが必須でしょう。

編集:QUICK Money World

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