2017/03/24 14:02:52

トランプ勝利で注目される為替と景気の行方 製造業DI横ばい(11月調査)

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上場企業の景況感を集計。重要な景気指標である日銀の企業短期経済観測調査(日銀短観)の先行指標として評価されています。
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トランプ勝利で注目される為替と景気の行方 製造業DI横ばい(11月調査) (2016/11/10)

  • 製造業DIはプラス14 前月と同じ
  • 気になるトランプ次期大統領の経済対策
  • VR技術の事業への導入は様子見が多数
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日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している11月のQUICK短観(10月26~11月7日調査分、上場企業419社が回答)では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス14と、前月調査と同じでした。一方、非製造業DIは前月比5ポイント改善のプラス30となり、結果、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ2ポイント改善のプラス23となりました。

QUICK短観

QUICK短観は、日銀が企業経営者の景況感を把握するために、四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つと共に、比較的、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。日銀短観は四半期に1度の公表ですが、QUICK短観は毎月調査・公表されているため、企業の景況感を見るうえで、各月での動きを細かく読み取ることができます。

トランプ次期大統領の誕生で注目される為替と景気の行方

製造業の業況判断DIは、10月まで3カ月連続で改善してきましたが、11月調査では横ばいにとどまり、ここにきて若干足踏みした形です。

過去のQUICK短観の製造業(全産業)について、2015年11月から直近までを並べると、以下のようになります。
2015年11月・・・プラス16
   12月・・・プラス17
2016年1月・・・プラス13
   2月・・・プラス10
   3月・・・プラス5
   4月・・・プラス8
   5月・・・プラス7
   6月・・・プラス9
   7月・・・プラス7
   8月・・・プラス8
   9月・・・プラス10
   10月・・・プラス14
   11月・・・プラス14

今回、足踏みをしたとはいえ、今年3月のDIがプラス5だったことを考えれば、徐々に製造業の景況感は回復基調をたどっていました。

ただ問題は、11月8日に行われた米大統領選挙によって、共和党候補のドナルド・トランプ氏が次期大統領に選ばれたことです。トランプ次期大統領はかねてから日本車に対して高率の関税をかけるべきだと主張しており、これを政策として推し進めれば、日本の自動車メーカーは大きな打撃を被ることになります。

また、円安政策に対しても批判的な立場を取ってきました。外国為替市場ではトランプ次期大統領が大統領選挙において得票を重ねるなかで、円高・ドル安が加速していきました。当面、この流れが続く可能性は否定できず、ドル円は1ドル=100円を割り込むと予想する市場関係者もいます。

結果として、製造業の業況判断DIに再び低下圧力が強まるリスクは否定できません。日銀短観の業況判断DI(大企業・製造業)の数字は、2016年6月のプラス3を底にして、9月はプラス6まで回復してきましたが、先行きは予断を許さない状況といえます。

円相場は「想定通り」が上昇も…

生産・営業用設備の現状について、全産業ベースの「過剰」から「不足」を差し引いたDIは、マイナス5で、前月と変わらずになりました。

雇用人員について、「過剰」から「不足」を差し引いたDIは、全産業ベースでマイナス34となり、前月に比べて1ポイント不足感が強まっています。製造業のDIは前月と変わりませんでしたが、非製造業のDIがマイナス50になり、不足感が一段と強まっています。

また、販売価格と仕入価格の現状ですが、「上昇」から「下落」を差し引いた販売価格DIについては、金融を除く全産業でマイナス8になり、前月に比べ1ポイント下落。同じく「上昇」から「下落」を差し引いた仕入価格DIは、金融を除く全産業でプラス7になり、前月に比べて2ポイント上昇しました。仕入価格DIの上昇と販売価格DIの下落は、企業収益悪化の懸念につながります。

なお、円相場については、前月に比べて「想定通り」の構成比が上昇しました。10月調査では33ポイントでしたが、11月調査では49ポイントまで上昇。また、「想定よりも円安」が3ポイントから7ポイントに上昇し、「想定よりも円高」が64ポイントから44ポイントに急低下した結果、DIはマイナス61からマイナス37に改善しました。

ただ、前述したようにトランプ次期大統領の政策次第では、一段と円高が加速する可能性もあり、もうしばらく見極めが必要となりそうです。

賃上げは現状維持

11月の特別調査では、①賃上げの状況②VR(仮想現実)技術の事業への導入――について回答を得ました。

まず、「賃上げについて現状どう検討しているか」について聞いたところ、「現状水準の維持」が64%で最多となりました。次に「小幅な賃上げの可能性」が34%で続き、「賃下げの可能性」についてはゼロでした。

賃上げ

2016年3月期決算は過去最高を更新した企業が多くみられましたが、今年に入ってから大幅な円高が進んだことによって、気になるのが2017年3月期決算です。日銀短観によると、2016年度の想定為替レートは、自動車が1ドル=109.13円、電機が1ドル=112.34円です。現在の為替レートは1ドル=103~105円なので、想定為替レートから見ると、円高水準にあります。

結果、このままの為替レートで推移すると、2017年3月期決算は、主要輸出産業を中心に業績が下振れする恐れがあります。さすがに内部留保が高まっている現状、賃下げを打ち出すのは難しい状況ですが、さらなる賃上げには慎重な姿勢を見せており、現状水準の維持が64%を占めたのは、やむを得ないところでしょう。

「VR技術を事業に導入すること」に関しては、「今のところ導入する見込みはない」が67%で最多となりました。「将来的な導入の可能性」と回答した企業は25%で、「導入済み・導入予定」は10%でした。

VR

VRとは「バーチャルリアリティ」、仮想現実のことです。これを事業に導入するとしたら、どのような使い方が考えられるでしょうか。
たとえば、住宅の内覧を行う時にVR技術で臨場体験が出来る、自動車に乗らなくても、試乗したのと同じ効果が得られるなどが挙げられます。ただ、アンケートに対する回答を見る限り、「導入する見込みはない」という回答が全体の67%を占めていることからも分かるように、今のところVR技術を積極的に活用することで、ビジネスを拡大させていこうという動きは、あまり見られません。最新技術であるだけに、具体的な活用事例が次々に出て来ないと、ビジネスシーンへの活用はまだ時間がかかりそうです。

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